米、経済再開へ指針 感染少ない地域から3段階で

2020/4/17 7:17 (2020/4/17 10:39更新)
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は16日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染者が少ない地域から経済活動の再開を3段階で進める新指針を発表した。地方政府が指針をもとに飲食店や学校の再開を決める。3月中旬から呼びかけてきた厳しい外出制限の緩和を初めて認めるが、感染の再拡大を懸念する声も多く、どこまで経済が戻るかは不透明だ。

新指針は各地域が経済の再開を判断するための要件を設けた。(1)検査の陽性件数やコロナのような症状の報告件数が14日間、減少傾向(2)医療機関がすべての患者に対応可能(3)強力な検査体制――などの要件を満たせば「第1段階」を始める。

第1段階では人との距離を確保できれば飲食店や映画館、ジムの営業を認める。在宅勤務は引き続き奨励し、学校は休校を続ける。10人超の集まりは避けるよう求める。高齢者や持病のある人は自宅待機を続ける。

再拡大の証拠がなく、判断要件を再び満たせば第2段階に移る。学校は再開し、不要不急の旅行も認める。立ち飲みのスペースを減らせばバーも営業できる。50人超の集まりは避ける。もう一度要件を満たせば第3段階に入る。手洗いや対人距離の確保など注意を払った上で、ほぼすべての活動ができるようになる。

トランプ氏は「経済を機能させなければいけない。とても迅速に再開させたい」と述べ、早期正常化に意欲を表した。新指針をもとに州知事や市長など各地方の首長が17日以降、具体的な対応を決める見通しだ。トランプ氏は「29州がすぐにでも再開する」と主張したが、外出禁止など市民への強制力を持つ地方政府が連邦政府の方針に従うかは不透明だ。

経済活動の再開には感染しているかどうか調べる「PCR検査」や過去の感染歴を確認する「抗体検査」を拡充し、感染者を早期発見して隔離することが欠かせない。しかし全米でのPCR検査は過去1週間で1日平均14万7千件にとどまる。

米政権は感染拡大を抑えるため3月16日に外出の自粛などを呼びかけた行動指針を設けた。カリフォルニア州やニューヨーク州など各州知事や市長も外出禁止や休校などの命令を出し、経済活動は大幅に滞っている。4月11日までの4週間で失業保険の申請数は2200万件に達するなど雇用環境が悪化している。11月の大統領選で再選をめざすトランプ氏は経済の立て直しを急いでいる。

ただ「新規感染者はピークを過ぎた」(トランプ氏)とはいえ、1日当たりの新規感染者数はおよそ3万人。専門家や医療団体からは時期尚早との声もある。感染が再び拡大する「第2波」が到来し、厳しい外出規制に逆戻りするリスクもある。

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