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WHOの透明性、調査で保証へ コロナの初動対応

テドロス事務局長 トランプ氏の非難、念頭

テドロス事務局長は「透明性や説明責任を保証するため、WHOの対応は加盟国や独立機関によって調査される」と表明した=AP

2019年末に中国で発生した新型コロナウイルスへの対応を巡り、世界保健機関(WHO)への風当たりが強まっている。テドロス事務局長は15日、「WHOの対応はいずれ調査される」と述べた。トランプ米大統領はかねて「対応が中国寄りだ」と批判し、14日にはWHOへの資金拠出を当面、停止すると表明した。中国からの入国禁止措置などWHOの初動対応に遅れがあったのかが焦点となりそうだ。

WHOはスイスのジュネーブに本部があり、150カ国以上に7000人を超える職員らを配置している。感染症は国境を越えて急速に広がることから、初動を間違えれば、世界に深刻な打撃を与える可能性がある。WHOには司令塔として、情報を収集し、必要に応じて危険を警告する役割が求められている。

テドロス氏は15日開いたテレビ記者会見で「透明性や説明責任を保証するため、WHOの対応は加盟国や独立機関によって調査される」と表明した。前日の14日、トランプ氏が「WHOは(正確な情報を提供する)基本的な任務の遂行を怠った」と非難したことを意識した発言とみられる。

WHOによると、2018~19年の米国による拠出金は全体の約16%を占め、WHOは支援活動の縮小を余儀なくされる恐れがある。今後は他の加盟国にさらなる資金拠出を求め、医療体制が脆弱な国への支援を継続する方針も示した。テドロス氏は「資金の拠出停止を指示したトランプ大統領の決定は遺憾だ」と述べ、WHOの活動への影響を検証すると語った。

現在、感染者数、死者数ともに世界最多になった米国では、中国での感染拡大を受けて米疾病対策センター(CDC)の緊急事態対応チームを稼働した。しかし、テドロス氏は1月30日に開いた会見で中国の新型コロナへの対応を称賛し、米国が1月末に決めた中国からの入国禁止について反対した。その後、新型コロナの感染は世界中に広がる結果になった。

WHOの対応では中国を擁護する姿勢が目立つ。1月23日に「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」の宣言を議論したものの「時期尚早」として一度は見送り、中国への配慮と批判された。すでに日米や台湾など他国・地域で感染者が確認され、人から人への感染の疑いも指摘されていた。テドロス氏は中国を訪れ、1月28日には習近平(シー・ジンピン)国家主席と北京で会談した。

背景の一つにはWHOトップのテドロス氏の母国、エチオピアと中国の密接な関係があるとされる。テドロス氏はエチオピアの外相や保健相を務め、17年にWHO事務局長に就任。首都アディスアベバにあるアフリカ連合本部は12年、中国政府が総工費150億円を全額負担して建設された。

トランプ米大統領は「WHOは基本的な任務の遂行を怠った」と非難した=ロイター

エチオピアの交通システムや高速鉄道など多くのインフラ案件に対しても中国の政策銀行、中国輸出入銀行が出資している。中国は広域経済圏構想「一帯一路」の戦略で、アフリカ諸国との関係構築を急いでいる。

トランプ氏は14日、今後60~90日間で、WHOの初動対応について検証作業を進めると表明した。10日には台湾も、19年末時点でウイルスが人から人へと感染していると警告したにもかかわらず、WHOが無視したと批判している。

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