緊急事態宣言、全国に 首相「大型連休の移動最小に」
13都道府県は重点的に対応 5月6日まで

2020/4/16 15:50 (2020/4/17 5:36更新)
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安倍晋三首相は16日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言の対象を全国に広げると表明した。都市部から地方への人の移動などで感染が全国にまん延する恐れがあるためだ。既に宣言の対象にしていた東京など7都府県と同様、期間は5月6日まで。全国の知事が法的根拠に基づき外出自粛などを要請できる。国を挙げて感染拡大防止に取り組む。

専門家で構成する諮問委員会の意見を受け、政府の対策本部が決定した。16日夜から効力が生まれた。首相は対策本部で「都市部から人の移動でクラスター(感染者集団)が各地で発生し、感染拡大の傾向がある」と指摘した。全国に広げる理由として「特に大型連休の人の移動を最小化する」と説明した。

首相は人と人の接触を減らすよう改めて訴えた。「5月6日までの期間で終えるには最低7割、極力8割の接触削減を実現しなければならない」と強調した。「不要不急の帰省や旅行など都道府県をまたいだ人の移動を絶対に避けるよう、お願いする」と述べた。

感染への対応を重点的に進める地域も設定した。7日の宣言は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県が対象だった。新たに北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都を加えた13都道府県を「特定警戒都道府県」と指定した。

宣言を全国に拡大したことで、外出自粛に関しては全都道府県知事が法的根拠に基づき要請できる。16日に改定した政府の基本的対処方針では全都道府県が「イベントの自粛要請も強く行う」と記した。大規模な催し物は「中止・延期を含めて主催者の慎重な対応を求める」と明記した。

一方、13の特定警戒都道府県ではより強い要請ができる。対処方針では、施設や店舗の休業要請が可能と強調した。

まず「要請」を出し、第2段階で新たに「要請・指示」を出せる。いずれも罰則はないが第2段階の際は施設の名前も出せる。社会的な評価に関わるので一定の実効性があるとみている。13都道府県は在宅勤務も「強力に推進」と強調した。

残りの34県の権限には差をつけた。休業要請に関しては対処方針で「知事が判断する」と書いたものの、国が知事と調整するのが前提になる。34県の独自の判断ですぐ実施できない仕組みだ。西村康稔経済財政・再生相は「感染拡大がそんなに見られない。すぐに必要になる段階ではないのではないか」と語った。

今後も全国的に鉄道やバスなど公共交通機関は運行する。一方で多くの知事が不要不急の外出や近隣都道府県への移動の自粛を求め、在宅勤務も推進を要請する見通しで、交通量は大幅に減りそうだ。経済活動の縮小は避けられない。

食料品や医薬品など生活必需品を扱うスーパーマーケットやドラッグストアは営業する。通院や食料・医薬品・生活必需品の買い出し、散歩など「生活の維持に必要」と判断できる場合は外出自粛の対象外になる。

今回の宣言でも感染拡大に歯止めがかからなければ、政府は諮問委員会の判断を仰ぎ期間を何度でも延長できる。5月の大型連休前にも全国の状況を見て延長の是非を判断するとみられる。

首相が7日に発令していた宣言の対象は(1)累積の感染者数(2)感染者が2倍になるまでの「倍加時間」(3)1日あたりの感染者数に占める経路を追えない感染者数の割合――の3つの指標を考慮して決めた。今回の全国への拡大措置は3指標だけにとどまらない総合的な判断をした。

首相は全国への対象拡大の理由などについて17日午後6時から記者会見で説明する。

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