在宅時の今だから 不用品はフリマで売ってお小遣いに

新型コロナウイルスの影響が長期に及び、毎日の生活や働き方も大きく変わりました。収入が減った人や、予定外の出費が増えて将来に不安を感じる人もいるでしょう。そんなとき助けになるのが節約術です。生活のなかで知らず知らずにやってしまっている無駄をなくせば、家計に余裕が生まれるはず。家事アドバイザー ・節約アドバイザーの矢野きくのさんに節約生活のコツを聞きます。第1回は、在宅の時間が増えた今だから取り組みたい、不用品の活用術です。
家の中にあるものを見渡したとき、本当にすべてのものが必要なものでしょうか?
意識せずに暮らしていると使う物というのは意外と固定されていて、何年も使っていないというものも存在しています。
何年も使っていないものは既にお金を出して買ってしまっているので、今さら節約には関係ないと思われるかもしれません。しかし不要なものまで家にあると、自分が何を所有しているかを把握できなくなり、同じようなものをまた買ってしまうという悪循環が生まれその結果が更なる無駄遣いへとつながります。
必要なものしか置いていなければ自分の持ち物を把握でき、今後も必要なものだけを買うようになるので、一度スッキリさせることが今後の支出にも影響することになるのです。
家の中の不要なものを集めてお金に換えよう
少なくとも買うときは「必要なもの」と思って購入したはずですが、2年を目安に考えて使っていないものは「今の自分の暮らしには必要なかったもの」と考えていいでしょう。
まずは2年使っていないものは不要なものと考え取り出し、1カ所にまとめてみてください。あまりにも数が多い場合は1部屋ごと、1エリアごとに作業をしていくと達成感を味わえるはすです。
今はスマホ(スマートフォン)で簡単に出品できるフリマアプリが普及しています。自分にとっては不要だったものも意外と必要としてくれる人もいるので、フリマで売ってみるのはいかがでしょうか。無駄遣いをしたものをお小遣いに換えることができるのです。
新品のものだけでなく、中古の衣類や雑貨などで売れるものもありますし、お菓子の空き缶やお店の名前入りの紙袋なども売れたりします。

フリマアプリって本当に簡単なの?
ネットフリマ(フリマアプリ)を未経験のかたに簡単に特徴をご紹介しますと、国内で有名なフリマアプリとして、メルカリやラクマなどが挙げられます。
・フリマでかかる料金
ラクマもメルカリもどちらも出品料は無料なので、とりあえず出品してみるということができます。出品した商品が売れたところで手数料が発生し、ラクマは売上額の3.5%、メルカリは10%となっています。
もう一つかかるものとして送料があります。送料別で出品することもできますが、購入時に価格が分かったほうがよいので、多くの場合は送料込みで出品されています。
最低出品価格は300円から。300円なら売れるというものもありますが、300円の売り上げから手数料と送料を引いた金額が自分の実質の利益となるので、その点はかかる手間と利益をてんびんに考えるといいでしょう。
・見知らぬ人とのやりとも匿名でできる
メルカリもラクマも匿名で配送できる配送方法を選択することが可能で、住所や氏名などの個人情報を購入者に知らせずに売買することができるのも特徴です。
ただし完全に双方の情報が出ないというわけではなく、利用した宅配業者のエリアや郵便局名は表示されます。

出品するときの注意(売れやすい出品のしかた)
出品するものがよく見えるようにすることが基本です。衣類ならアイロンをかけたりカバンならシワがよらないように中にタオルを詰めて写真を撮るなどする方法もあります。写真は自分の影で暗くなったりしないように明るい写真のほうがよいでしょう。
傷や汚れがあるならそこを撮って商品説明に加えることも大切です。
・検索キーワードを調べる
「この出品物を欲しい人はどんな言葉で検索するだろう」と調べるところからはじめます。出品するもののタイトルや説明文の中に使う単語を、検索されやすい単語を使うことによって多くの人に見てもらえるようになります。
メインで浮かんだキーワードを商品の検索ワードにいれると、それとセットでよく検索されているワードの候補が出てきますので、それらを参考にするとよいでしょう。
・ハッシュタグを活用
ハッシュタグとは#(半角シャープ)をつけたキーワードで、他の出品者の同様のものとリンクでつながるというものです。これを利用し自分の出品物をカテゴリーわけして見てもらうのも一つの方法。例えば本、靴、CDと全く違う分野のものを複数出品している場合、1つのCDに興味を持ってくれた人は自分が出品している他のCDにも興味を持ってくれる可能性が高いと考えられます。
そのかたに自分が出品している他のCDを見てもらうために、他の人が使わないようなハッシュタグで自分のCDだけを表示されるようにします。例えば「#自分のアカウント名CD」のようです。
自分の出品物ページへの滞在時間が長くなるような工夫をしてみましょう。
お金以外のプラス効果も
フリマで物を売るようになると会社員として定額のお給料をもらっていたときには気づかなかった少額の大切さを感じるようになるかたが多くいます。
1000円、2000円程度であればそれまでは気にせず買っていたようなものも、その金額を得るのは大変ということに気づき、本当に必要なものだけを買うようになるのです。
また不要なものが売れ家の中がスッキリすることで所有しているものを把握でき、似たようなものを買ってしまうことも防ぐことができるようになります。
必要なものしか買わないという習慣を身につけることが一番節約になるのです。
最後に、不用品の整理やフリマへの出品は家の中で完結できますが、売れた商品を発送するときは外との接触が必要です。郵便局やコンビニへ行くのはすいている時間を選んだり、なるべく荷物をまとめてから宅配業者へ集荷を依頼したりと、「密」にならないよう心がけましょう。

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