トヨタ、国内全完成車工場で稼働休止へ 調達難も影響

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2020/4/15 18:10
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トヨタ自動車グループは15日、国内の完成車全18工場で生産調整を実施すると発表した。2日間の非稼働日を設けるほか、5工場9ラインでは5月12日から、最長で18日まで稼働を一時停止する。減産規模は7万9千台(傘下のダイハツ工業の一部拠点を除く)になる。スズキホンダも追加の生産調整に踏み切る。新型コロナウイルスの感染拡大により、海外での新車需要が減速していることに加え、部品調達難による生産停止も広がってきた。

豊田自動織機の長草工場ではSUVの「RAV4」を生産している

豊田自動織機の長草工場ではSUVの「RAV4」を生産している

トヨタは独自の休日設定により5月2~10日を大型連休にしているが、その前後に1日ずつ15工場の非稼働日を設ける。また、北米や中近東向けの車を生産している5工場では同12日から最大5日間稼働停止にする。

ハイブリッド車「プリウス」などを生産する堤工場(愛知県豊田市)は12~15日に休止する。大型SUV(多目的スポーツ車)「ランドクルーザー」などを生産する田原工場(愛知県田原市)の第1ラインは12~18日を稼働停止にするほか、第1、3ライン共に5~6月は、昼夜二交代制を昼間だけの稼働に切り替える。

トヨタ自動車東日本の東富士工場(静岡県裾野市)は12日のみ、岩手工場(岩手県金ケ崎町)は12~13日まで止める。岐阜車体(岐阜県各務原市)の第2ラインは5~6月にかけて、通常は昼夜二交代制のところ、昼間のみの稼働にする。

部品調達が滞るため、「カローラ」などを生産する高岡工場(愛知県豊田市)と、豊田自動織機の多目的スポーツ車(SUV)「RAV4」を生産する長草工場(愛知県大府市)の稼働を、4月20~22日まで休止する。

日野自動車が小型トラックを製造する羽村工場(東京都羽村市)では、12日の稼働を止める。日野はこれまでトヨタ向けのラインを停止したことはあったが、トラックの生産停止は初めて。5月のトラックの生産台数において800台の減産となる見通しだ。またトヨタ向けのラインも12~15日で稼働を止めるほか、5~6月は二交代制を昼間のみの生産に切り替える。

ダイハツ工業は、国内の3カ所の工場について生産停止を追加・延長する。大阪工場(大阪府池田市)と京都工場(京都府大山崎町)を5月1日から最長で12日まで停止する。滋賀工場(滋賀県竜王町)の一部については、当初4月21日までとしていた停止期間を24日まで延長する。コロナの影響を受け東南アジアで部品の生産が遅れているほか、国内の需要減に対応する。同社は主力の九州工場についても4月中の減産を決めている。

トヨタは海外の新車需要の減少に伴い、4月3日から最長15日まで国内5工場7ラインの稼働を一時休止し、3万6千台分を減産した。欧米ではロックダウンが続いており、今回の国内工場の稼働休止は前回の規模を上回る。新型コロナの影響を含まない20年計画では国内生産324万台のうち52%の168万台を輸出するとしている。

トヨタの国内工場は足元では、トヨタ自動車九州の宮田工場が15日まで停止している。世界でも稼働停止が相次いでおり、少なくとも22カ国約40工場が止まっている。アナリストによると4月9日時点の判明分だけで、工場休止は世界で約56万台相当と試算する。販売減と合わせて連結営業利益を計3000億円程度押し下げるとの見方もある。

スズキは15日、国内の四輪車工場の2カ所を20日から7日間停止すると発表した。停止するのは軽トラック「キャリイ」などをつくる磐田工場(静岡県磐田市)と、小型車「スイフト」などを製造する相良工場(同県牧之原市)。停止期間は土日を除く20日から28日まで。新型コロナウイルスの感染拡大で都市封鎖が続くインドやフィリピンから輸入する部品の供給が不安定なため、生産量を調整する。

ホンダは17~24日、鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)の生産を一部停止する。「部品会社の工場でコロナ感染者が出た」(部品会社の幹部)ことを受け、一部の部品供給が不安定になっている。停止期間の影響台数は約6千台とみられる。人気の小型車「フィット」や軽自動車「N-BOX(エヌボックス)」を生産しており、一時停止を受け納期遅れなどの影響が懸念される。

新型コロナウイルスの影響で世界的にも自動車生産は落ち込む。英調査会社IHSマークイットは、2020年の全世界生産台数を19年比21%減の6982万台と予測する。

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