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都心部からの「疎開」「レジャー脱出」、地方は警戒

(更新)

政府が新型コロナウイルスの感染拡大地域として「緊急事態宣言」を出した7都府県から、それ以外の地域に移動する動きが出ている。都心部から別荘地などに「疎開」したり、レジャー目的で「脱出」したりする人が目立ち、地元自治体は感染拡大への警戒を強めている。専門家は「地方にウイルスを拡散する恐れがあり、不要不急の移動は避けて」と指摘する。

「緊急事態宣言の発令期間中は旅行を自粛してほしい」。沖縄県石垣市の中山義隆市長は6日、観光客に対して来島自粛を要請した。石垣島を空路で訪れた人は、2月は7万9980人と前年同月比で約2%増加。観光客は減りつつあるが、4月に入っても県外からの来島者はいるという。

13日には市内で初めて感染者2人が確認された。市内の感染症指定医療機関で利用可能な病床は3床しかない。県は患者が増えた場合、同医療機関の一般病床で対応するという。市の担当者は「恐れていたことが起きてしまった。医療崩壊とならないように全力を尽くすしかない」と話す。

夏の避暑地として人気の長野県軽井沢町。軽井沢観光協会によると、東京都が外出自粛要請を表明した3月25日ごろから別荘を持つ人の流入が増えてきているという。

同町は首都圏からの滞在者などに対して不要不急の外出の自粛を要請。同町と隣接し、同町を管轄する保健所がある佐久市の柳田清二市長はツイッターなどで「首都圏脱出とはならないようにお願いします」と訴える。市の担当者も「佐久地域は高齢化率が高く、医療体制も都会ほど充実はしていないので協力してほしい」と呼びかける。

このほか、緊急事態宣言の対象外となった県の遊興施設や商業施設の駐車場には、東京や大阪などの県外ナンバーの車が多く見られるようになっている。対象外の地域で営業しているパチンコ店目当てなどレジャー目的の都心脱出が増えているとみられる。

都心部から地方に移動したことによる感染拡大の状況はデータからも読み取れる。コンサルティング会社、ジャッグジャパン(東京)が収集する陽性事例のデータを分析すると、4月11日までに緊急事態宣言の対象の7都府県以外で感染が確認された人のうち、40人は7都府県の居住者だった。3月下旬までにそうした感染者は週0~5人だったが、3月29日以降は週15人に上っている。

外出自粛や休校が長期化すれば、都心部から地方への人の動きがさらに広がることも懸念されている。

政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の委員で東北大の押谷仁教授は「地方にウイルスを拡散する恐れがあり危険な行為だ。地方はまだ医療体制が整っていないところも多い。地方に感染が広がれば感染者数が少なくても医療を提供できなくなる。一人ひとりが冷静に行動して感染を広げないことが重要だ」と話している。

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