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米JPモルガン「深刻な景気後退」 1~3月期、69%減益

(更新)

【ニューヨーク=大島有美子】米銀最大手のJPモルガン・チェースが14日発表した2020年1~3月期の純利益は前年同期比69%減の28億ドル(約3100億円)だった。1~3月期の減益は4年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の減速で、貸出先の個人や企業の信用力が悪化し、貸倒引当金の計上が増え、利益を圧迫した。同日発表したウェルズ・ファーゴの純利益は同89%減だった。

JPモルガンは事業会社の売上高にあたる純営業収益が前年同期比3%減の290億ドルだった。長期金利の低下にともない貸出金と預金の利回り差(利ざや)が圧縮され、金利収入は前年同期比微減の145億ドルだった。1株当たり利益(EPS)は71%減の0.78ドルとなった。

貸倒引当金はJPモルガンで前年同期比5.5倍(67億ドル増)の82億ドルだった。四半期別ではリーマン危機後に急増した2009年10~12月期(89億ドル)以来、約10年ぶりの高水準。ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は「かなり深刻な景気後退の可能性を考慮した」と説明した。

2020年1月から米銀は、将来の債権回収ができなくなる可能性をあらかじめ予測して貸倒引当金を計上するCECL(現在予想信用損失)の基準を導入している。基準変更で20年1~3月期はバランスシートにのみ計上する引当金だけで43億ドルの積み増しを既に予定していたが、損益に影響するものも含めてさらに68億ドル上乗せした。「自動車ローンで返済の延滞が若干増えた」(最高財務責任者=CFO=のジェニファー・ピプスザック氏)などコロナの影響が表れているという。

積み増し分の内訳は消費者向けが44億ドルで、特にカードローン向けが38億ドルと大きい。企業向けが24億ドルで石油、ガス関連企業などへの融資で積み増した。「政府の経済対策も考慮に入れた」(同)上で算出した。

ウェルズでも「前例のない状況が顧客に及ぼす影響を考慮」(ジョン・シュルスベリーCFO)し、コロナ要因で31億ドルを新たに引き当てた。

引当金の増加などで、2行とも中核的な自己資本(CET1)比率は低下した。JPモルガンは19年末の12.4%から3月末は11.5%に、ウェルズは同11.1%から10.7%に下がった。ただ「流動性資金は1兆ドル超あり、資本は健全な状態を保っている」(JPモルガンのダイモン氏)と強調した。

コロナによる影響は預金の積み増しにも現れた。企業が手元資金の確保に動き、JPモルガンの3月末の預金残高は前年同期比23%増の1.8兆ドルに積み上がった。ウェルズも同9%増の1.3兆ドルとなった。

JPモルガンのダイモン氏は3月上旬に緊急の心臓手術で入院しており、同日の決算発表は業務復帰後、初めての電話記者会見となった。今後の去就について問われたダイモン氏は「仕事に戻るのを楽しみにしていた。従来の見通しが変わったわけではない」と述べ、早期のトップ交代の可能性を否定した。

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