欧米需要急減、中国に打撃 1-3月輸出13%減
4-6月、一段と悪化も

2020/4/14 18:13
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新型コロナによる輸出減は今後も続きそうだ(1月、青島港)=AP・FeatureChina

新型コロナによる輸出減は今後も続きそうだ(1月、青島港)=AP・FeatureChina

【北京=原田逸策】外需低迷が中国経済の回復の足かせとなりそうだ。14日発表の2020年1~3月の輸出額は前年同期比13%減った。第1四半期の減少幅としてはリーマン・ショック直後の09年1~3月以来11年ぶりの大きさだ。新型コロナウイルスの感染拡大で欧米企業から中国への発注が急減しており、4月以降は外需がさらに落ちこむ恐れがある。

1~3月の輸出額は4782億ドル(約51兆円)、輸入額は前年同期比3%減の4650億ドルだった。輸出から輸入を引いた貿易収支は132億ドルの黒字で、黒字額は前年同期より82%減った。中国税関総署の李魁文報道官は14日の記者会見で「我が国の貿易が直面する困難をみくびってはいけない」と語った。

国・地域別に輸出額をみると、米国(前年同期比25%減)、欧州連合(EU、16%減)、日本(16%減)と先進国は軒並み低迷した。

東南アジア諸国連合(ASEAN)は前年同期比0.4%増とプラスを維持し、EUに代わり初めて中国の最大の貿易相手になった。中国企業などがASEANに供給網(サプライチェーン)を築いていることを映し、半導体が輸出・輸入とも2~3割増えた。

輸出を商品別にみると2本柱のパソコン(前年同期比23%減)と携帯電話(13%減)がいずれも大幅に減った。労働集約型の家具(21%減)、衣服(21%減)、おもちゃ(18%減)も低迷した。

3月単月は輸出が前年同月比7%減、輸入が同1%減といずれも1~2月から減少幅が縮まった。もっとも貿易の回復を示すわけではなく「操業再開の遅れでたまっていた注文を輸出企業がこなしたため」(李氏)。

中国ではすでに売上高2千万元(約3億円)以上の製造業はほぼ100%が操業を再開した。問題は内需がまだ完全に回復しないうちに外需が大幅に減ったため、工場の稼働率がなかなか上がらないことだ。公共工事などの景気対策が本格的に動き出すまで稼働率は上がりにくい恐れがある。

先行きはさらに不透明感が強い。浙江省寧波・舟山港のコンテナ輸送価格は貿易の先行指標だが、同指数は3月中旬から下げ足を速め、4月10日の週は5カ月ぶりに700を割った。任鴻斌商務次官補は10日に「輸出企業が直面する最大の困難は注文の減少・取り消し・延期と新規受注が取れないこと」と語った。

紡績の街、浙江省紹興市の貿易商社の経営者は「品物を用意しても客は受け取らないし、金を払わない。多くの注文が取り消された。会社は完全に停止状態だ。カネは入らず、商品は出て行かない」と嘆く。40人強いた従業員は解雇して30人以下に減らした。

販売額全体に占める輸出の比率をみるとパソコン・携帯(54%)、紡績・衣類(23%)、家具(21%)などは高く、輸出減少による雇用への打撃が懸念される。中泰証券は4月の報告書で「輸出の落ちこみで800万~1500万人の雇用が失われる。通年の国内総生産(GDP)の名目成長率を1~2.1ポイント押し下げる」と分析した。

中国は新型コロナの感染拡大をいち早く抑えこんだ。当初は外需の助けも借り、春から経済を「V字回復」させるシナリオを描いていたようだ。魏建国元商務次官は2月末に「20年の貿易の伸びは19年より2~3ポイント改善する」と語っていた。

新型コロナが世界中にまん延し、外需に頼れなくなったのは誤算だ。財政出動で内需を盛り上げるしかないが、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が予定の3月5日から延期され、リーマン時のようなスピード感のある対策を打ち出せていない。

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