熊本地震4年 遺族代表の男性、支え受け復旧現場に

2020/4/14 17:54
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275人が犠牲となった熊本地震は14日、最初の激震「前震」から4年を迎えた。熊本県庁で行われた追悼式では、新型コロナウイルス対策で参列者が制限される中、遺族ら26人が黙とうし、犠牲者の冥福を祈った。

熊本地震の追悼式で、遺族代表の言葉を述べる内村勝紀さん(14日、熊本県庁)=代表撮影

熊本地震の追悼式で、遺族代表の言葉を述べる内村勝紀さん(14日、熊本県庁)=代表撮影

式で遺族代表を務めたのは地震後、建設会社を立ち上げ、復旧工事に携わってきた熊本県西原村の内村勝紀さん(50)。2016年4月16日未明に起きた2度目の激震「本震」で自宅が倒壊し、父の政勝さん(当時77)を失った。

あの日、真っ暗闇の中で「おやじ、おやじ」と体を揺すって呼び掛けても政勝さんが応じることはなかった。三世代6人が暮らす木造住宅は一瞬で崩れ、1階で寝ていた政勝さんは梁(はり)の下敷きになった。妻のあけみさん(54)も腰の骨を折る大けがを負った。

運送業を個人経営していた政勝さんは「自分の力ば試せ」と事業を興すことを勧めていた。地震後、この言葉を思い返し「復興でできることがある」と勤めていた建設会社を辞めて「西原工業」を立ち上げた。一人奮闘する姿に、地元の後輩や以前の同僚らが一人また一人と集まり、擁壁復旧や道路改良で一緒に汗を流した。

現在は村内の賃貸住宅で暮らす。山あいにある自宅は更地になった。本震を引き起こした布田川断層の近くのため、妻は「戻るのは怖い」と言う。一方で、内村さんは妻の気持ちを理解しつつ「元の場所で再建したい」と願う。「気楽におしゃべりできる村の雰囲気をなくしたくない。村の役に立ちたい」。逝ったおやじも見守ってくれていると信じている。〔共同〕

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