三菱自、タイで23年からEV生産 180億円投資

【バンコク=村松洋兵】三菱自動車は2023年からタイで電気自動車(EV)の生産を始める。タイ政府が13日、同社が申請した54億8000万バーツ(約180億円)の投資計画案を承認したと発表した。計画案によるとタイ東部の既存工場を改修して生産設備を整える。同社単独のEVの海外生産は初となる。
バンコク東方に位置するチョンブリ県のレムチャバン工場に、EVを年9500台、ハイブリッド車(HV)を年2万9500台製造できるラインを設ける。生産する車種は明らかにしていない。タイ国内で販売するほか、周辺の東南アジア諸国に輸出する。
同工場は42万台の年産能力がある同社最大の海外拠点だ。21年からプラグインハイブリッド車(PHV)「アウトランダーPHEV」の生産開始も予定している。自社でのEV生産は日本でつくる小型車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」などにとどまっており、海外生産はタイが初となる。
三菱自は多目的スポーツ車(SUV)や小型トラックの電動化を計画しており、生産台数における電動車比率を現在の5%から20年代半ばに2倍以上へ引き上げる目標を掲げている。
東南アジア最大の自動車生産国であるタイはEVへのシフトを目指し、税制優遇策を設けて自動車メーカーに電動化への投資を促している。トヨタ自動車やホンダも23年ごろまでにタイでEVを生産する計画だ。