前田道路、臨時総会で特別配当535億円を可決

2020/4/14 16:00
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道路舗装事業などを手掛ける前田道路は14日に臨時株主総会を開き、総額535億円(1株650円)の特別配当を可決した。ゼネコン準大手の前田建設工業はTOB(株式公開買い付け)で前田道路への出資比率を従来の25%から51%に引き上げ、子会社化している。臨時総会では過半数の株主が賛成し、特別配当の実施が決まった。

前田道路が開いた臨時株主総会の会場(14日、東京都港区)

前田道路は前田建設によるTOBに反対し、撤回に向けて動いていた時期があった。TOBの条件には「前田道路が資産の10%に当たる203億円超の配当をする場合、撤回する場合がある」と記されており、最後の対抗手段として選んだのが特別配当だった。

前田道路は特別配当で手元資金を意図的に外部に流し、企業価値を下げて前田建設の買収意欲をそぐ狙いがあった。臨時総会の基準日は3月6日。前田建設は特別配当に反対の意思を示したが、過半数の株主が賛成し、可決された。

前田建設は前田道路との関係改善を重視して「委任状争奪戦」には踏み込まなかった。総会では海外の機関投資家などが賛成票を投じたとみられる。前田道路の特別配当により前田建設は連結ベースで約400億円の資金を失うことになる。今後は6月に予定されている前田道路の株主総会で両社から何人ずつの役員候補が出るかなど、新たな経営陣のバランスに注目が集まる。

前田建設は1月下旬に持ち分法適用会社の前田道路にTOBを仕掛け、前田道路が反発したため異例の「グループ会社内での敵対的TOB」に発展した。前田道路は特別配当のほか、同業最大手であるNIPPOとの資本業務提携に向けた交渉開始も発表し、前田建設をけん制していた。

前田建設は前田道路の子会社化を通じ、インフラ運営事業を強化する狙いがある。建設工事の請負事業は景気悪化などで工事量そのものが減るとダメージが大きい。

このため公共インフラの管理や運営を民間企業が担うコンセッション事業を拡大し、請負事業に頼りすぎない体制づくりを急いでいる。前田道路との融合効果を発揮するため、友好関係をどう築けるかが問われる。

(野元翔平、桜井豪)

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