新型コロナで死亡の場合、保険金倍増 かんぽ生命検討

かんぽ生命保険は契約者が新型コロナウイルスに感染して死亡した場合に保険金を2倍支払う検討を始めた。終身保険や養老保険などの契約者が対象となる。適用すれば契約件数、人数ベースともに約9割の契約が対象となる。
かんぽ生命では、エボラ出血熱などの感染症や交通事故など不慮の事故で死亡した場合に、保険金を2倍にする「倍額支払制度」を設けている。現在の約款に新型コロナは含まれていないが、金融庁が柔軟な適用を求めていることを踏まえて、調整を進めている。
民間の保険会社では感染症などで死亡した際の保険金を増額するには、追加の保険料を支払う特約に加入する必要があることが多い。かんぽ生命では特約に加入しなくても、約款に示された要件に該当すれば、倍額支払いの対象としている。
終身保険や養老保険のほか、2013年以前に契約された学資保険も対象になる。契約件数で約2600万件、契約者では約1600万人が対象で、いずれも全体の約9割に当たる。
日本生命保険や第一生命保険も、新型コロナで死亡した場合の保険金を増額する方針を固めている。業界最大手の日本生命では増額される特約の対象者が約340万人で、かんぽ生命が倍額支払いに適用すると対象者の規模は日本生命の5倍弱に膨らむことになる。
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