北朝鮮、外交ライン入れ替え ミサイル責任者を重用
コロナ対策強化も

2020/4/13 17:12
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【ソウル=恩地洋介】北朝鮮は11、12の両日、朝鮮労働党の政治局会議と最高人民会議(国会に相当)を続けて開催した。人事では米国との非核化交渉に携わった外交ラインを入れ替えたほか、軍の核・ミサイル開発者を重用し、軍事力増強を優先する姿勢を印象づけた。新型コロナウイルス対策に絡む予算を増やすなど、感染症拡散への危機意識も反映した。

11日に開かれた朝鮮労働党政治局会議に出席した金正恩氏=朝鮮中央通信・朝鮮通信

政治局会議では金正恩(キム・ジョンウン)委員長の実妹で、朝鮮労働党第1副部長の金与正(キム・ヨジョン)氏が政治局員候補に選出された。金与正氏は2019年4月の党中央委員会総会で政治局員候補から外れていた。

金与正氏は3月、南北関係や米朝協議を巡り、2度にわたって談話を発表した。最近は金正恩氏とともに短距離ミサイルの発射実験に立ち会うなど、事実上のナンバー2として存在感を増しているとの見方がある。

最高人民会議では金正恩氏の直属機関である国務委員会の委員から、米朝交渉に関わった李容浩(リ・ヨンホ)前外相と李洙墉(リ・スヨン)党副委員長が解任された。入れ替わりに、1月に起用された李善権(リ・ソングォン)外相と金衡俊(キム・ヒョンジュン)党副委員長が選ばれた。

李善権氏は軍出身で対韓国政策を長く担い、金衡俊氏はロシア大使などを務めた。いずれも対米外交に接した経歴は乏しく、米国との交渉に直接携わるかは不明だ。

新任の国務委員には軍需を担当する李炳哲(リ・ビョンチョル)党副委員長が選出された。空軍司令官出身で核や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発に携わった。16年には潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射に成功し、金正恩氏と抱き合って喜ぶ写真が公開されたことがある。

金正恩氏が出席した11日の政治局会議では、新型コロナへの対応策を討議した。朝鮮中央通信の報道によると「感染の危険が短期間に解消されることは不可能で、我々の闘いと前進にも一定の障害を来す条件になり得る」と報告された。中朝境界の封鎖を続ける方針を確認したもようだ。

最高人民会議では建設中の平壌総合病院の予算確保や、2020年の保健部門予算を前年比で7.4%増やすことなどを承認した。13日付の党機関紙「労働新聞」によると、保健相は「新型コロナウイルス感染症は、わが国ではいまだ発生していない」と報告した。同紙は、マスクを着けずに数百人の代議員が席に着いている議場の写真を掲載した。

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