大阪府、14日から対象幅広く休業要請 中小には独自支援

2020/4/13 14:33 (2020/4/13 22:06更新)
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大阪府新型コロナウイルス対策本部会議で発言する吉村知事(奥)=13日、大阪府庁

大阪府新型コロナウイルス対策本部会議で発言する吉村知事(奥)=13日、大阪府庁

新型コロナウイルスの感染に伴う緊急事態宣言の対象となった7都府県すべてが、民間施設などに休業要請することが13日、決まった。東京都に足並みをそろえた形で、大阪府では14日午前0時から5月6日までとなる。対象は商業・遊興施設など幅広く、飲食店などには営業時間短縮を要請。府は事業者への補償は実施せず、府独自の支援策を打ち出した。(佐野敦子 高木雄一郎 中川竹美)

「オーバーシュート(爆発的な感染拡大)しないように強力な措置を今とる必要がある」。府の吉村洋文知事は13日の対策本部会議で、休業要請に踏み切った理由を述べた。

府が注視したのは、11~12日の人出の削減だ。携帯端末のデータなどを基にした滞在人口の増減率では12日の梅田周辺は宣言直前の7日に比べ、58.2%減、難波周辺でも43.1%減だった。政府が「最低7割、極力8割程度」とした人の接触機会の削減目標に届かなかった。

さらに、感染者数の急増も見逃せなかった。府内の感染者数は6~12日の1週間では計403人で、その前の週から倍増。感染拡大傾向も止まらず、当初4月下旬としていた判断を一転して、前倒しする必要があると判断した。

休業要請に伴う影響などに配慮するため、政府の中小企業や個人事業主を対象とした最大100万~200万円の給付金に、府が上乗せを検討する。4月下旬にも関連経費を盛り込んだ補正予算を編成する方針。

一方、休業要請の対象となったインターネットカフェや漫画喫茶に長期間寝泊まりしている人の支援も行う。府は13日から、1泊2500円以下で泊まれる宿泊施設の募集を開始する。利用者は府内に1日約800人いると想定。まず約400室確保する。コロナの影響で解雇されるなどして住宅の退去を迫られた場合、府営住宅を月4千円の使用料で提供する。300戸まで拡大する。

感染拡大防止に理解を示す声がある一方で、すでに客足が遠のく店側からは嘆きと諦めが交錯した。

府の休業要請では、居酒屋や料理店などは営業時間は午前5時~午後8時まで、酒類提供は午後7時までとされた。多くの居酒屋やレストランがひしめく大阪梅田駅前。地下街ではすでに、シャッターを下ろした店が目立ち、臨時休業を知らせる張り紙も出ていた。

「客足は例年より9割以上減り、日によってはゼロ。この先どうなるのか」。3代続く居酒屋を経営する50代の男性は、うつむきがちに話した。

政府の緊急事態宣言のあった7日から閉店時間を午後8時に短縮したほか、酒類提供も午後7時までに変更。家賃や管理費、所有する他店舗の固定資産税など月200万円以上かかる。「国や府から支援が得られても、全てをまかなえるとは思えない」と不安を口にする。

一方、短縮営業について理解を示す声もある。北新地にある飲食店では営業時間を短縮する代わりに、料理の宅配などで売り上げの減少を補うことを考えている。50代の男性店長は「新たなクラスター(感染者の集団)を発生させないためにも飲食店が協力するのはやむを得ない」と話す。

床面積が計1000平方メートル以下の商業施設などは、休業への協力依頼にとどまる。日本一長い商店街といわれる天神橋筋商店街(大阪市)。老舗靴店は営業を続ける。すでに3月の売上高は前年同月比で4割以上減った。「今後も続けられるかはわからない。早く終息の見通しがたってほしい」と心配そう。

商店街の一部を構成する天神橋三丁目商店街振興組合の13日の調査では、全168店のうち、飲食店など20店が一時休業している。14日以降に休業する予定の店もある。組合事務局の担当者は「営業を続けても、このままではどの店も収支は苦しい」という。

府が強く求めるのは、感染リスクの高い「3密(密閉・密接・密集)」の回避だ。遊興施設や運動施設などにも休止を要請しており、スポーツクラブやボウリング場、バーなどのほか、劇場や映画館、展示場なども対象に含まれる。

大阪市のスポーツクラブは11日から店舗営業を休業。会員向けにオンラインで運動を指導するサービスを始める。大阪市の自営業男性(53)はスポーツクラブ利用から大阪城公園のランニングにシフト。「健康維持のため運動は欠かせない。休業期間が延びなければいいが」と話す。

心斎橋筋商店街の近くにあるバーの30代男性店員は「要請だけなら、収入を得るために店は開けておくかもしれない。客足は減り、休業すれば1カ月で潰れかねない」と苦しい胸の内を明かす。

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