米の死者2万人超す イタリア抜き最多、新型コロナ
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【シリコンバレー=佐藤浩実】新型コロナウイルス感染による米国の死者数が11日の東部時間16時(日本時間12日5時)時点で2万人を超え、国別でイタリアを上回り最多となった。人口密度の高いニューヨーク州を中心に死者数の増加が続いており、全米で6万人に達するとの予測もある。世界全体の死者数は10万7775人となった。
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米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると米国の死者数は2万71人となり、イタリアの1万9468人を上回った。最も深刻なのはニューヨーク州で、10日だけで783人が新たに亡くなり、累計の死者数は8600人を超えた。新規感染者数が4日ぶりに1万人を下回るなど外出制限の効果も表れつつあるが、予断を許さない状況が続いている。
ニューヨーク州のクオモ知事は11日の記者会見で「感染者数の上昇曲線は平たくなってきている」と話した。一方で、早すぎる経済活動の再開が新型コロナ感染の第2の波を引き起こす可能性を警告した。再開に向けて、中国・武漢など他国の事例調査を始める。
新型コロナの感染・死者数の拡大を受けて、米国では人々もマスクを付けるなど感染を防ぐための行動を強めている。米放送局ABCなどの調査によると、スーパーへの買い物などのために先週外出した米国人のうち、55%がマスクをするかバンダナなどで顔を覆ったという。
世界の感染者数は176万978人で、このうち51万人以上を米国が占めている。累計の死者数で米国に続くイタリアやスペインは米国よりも早く外出制限に踏み切っており、新規感染者数は減りつつある。