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布マスク正しく使って 専門家、協力呼び掛け

全戸配布12日から、医療崩壊防ぐ

緊急事態宣言から一夜明け、マスク姿で通勤する人たち(8日、東京・新宿)

再利用可能な布マスクの全戸配布が12日以降始まる。予防効果を疑問視する声も多く上がっているが、米国と欧州政府も相次ぎ布マスクを推奨するか、検討を促すガイドラインを発表。国内の学会も追随し、着用を求めていく考えだ。専門家は「医療用マスクの需給が逼迫する中、布マスクを正しく使うことが医療崩壊を防ぐ助けになる」と呼び掛けている。

「着払いで送り返す」「粗悪品」「欠陥品」

4月1日、安倍晋三首相が全世帯に布マスクを配布することを表明すると、SNS(交流サイト)上で「アベノマスク」というハッシュタグ(検索目印)をつけ、政策を冷やかす投稿が相次いだ。

一般の薬局でも販売され、品薄状態になっている医療用マスクは目の細かい不織布を使っており、目の粗い布マスクの機能は劣るからだ。費用も466億円と巨額になる。

しかし、3日には感染症対策を担う米疾病対策センター(CDC)が、感染が拡大した地域で人と人が距離をとるのが難しい状況で、布マスクなど何らかの形で口を覆うことを推奨する声明を出した。

沖縄県立中部病院感染症内科の高山義浩副部長は「新型コロナは無症状のウイルス保有者からの感染があり得るとされているため、布マスクも対策になり得る」と解説する。

布マスクが感染から身を守ることができるという学術的な証明はされていない。一方、無症状感染者からのウイルスの放出を抑制する効果は期待できるという。「日本でも感染拡大が進む中、自分も無症状感染者である可能性を考慮して、周囲に人がいる環境で布マスクをすることは感染拡大の防止につながる」

8日には欧州のCDCもマスクに関するガイドラインを発表。布マスクなど非医療用マスクは「フィルターとしての効果は低い」とする一方、再利用可能な利点を挙げ、医療用マスクの供給が滞り、医療機関に十分に行き渡っていない状況では、市民は利用を検討しうるとした。

日本でも医療現場は深刻な状況が続いている。医師の人材紹介会社、エムステージが4月10日に公表した医師180人へのアンケート調査では、8割超の149人がマスク不足を訴えた。

聖マリアンナ医科大の国島広之教授(感染症学)は「医療用マスクは院内感染を防ぐために最低限必要な武器。マスクがないと医療人材があっという間に枯渇し、医療崩壊は避けられない。医療現場に十分に行き渡るよう、人との接触を避け、やむを得ない場合も布マスクを利用して協力してほしい」と呼びかける。

同教授が理事を務める日本環境感染学会も近く、患者や病院の事務職員には布マスクの着用を推奨するガイドラインを発表する方向だ。

一方、布マスクは表面にウイルスが付着する可能性もあり、1日1回は洗濯が必要だ。厚生労働省などは洗剤を入れた水で押し洗いをする方法を紹介。特に汚れが気になる際は塩素系漂白剤にひたすのが効果的という。

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