新型コロナで旅行キャンセル 保険の補償範囲は?
生保損保業界ウオッチ

日経マネー連載
2020/4/26 2:00
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写真はイメージ=PIXTA

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特約や補償範囲などが商品によって異なる保険の比較はなかなか大変。この連載では保険に詳しいファイナンシャルプランナーが商品選びの勘どころを紹介する。

◇  ◇  ◇

長男が東南アジアを横断、豪州に渡るという2カ月の旅程で2月半ばに出国したのですが、わずか1カ月で戻ってきました。言うまでもなく新型コロナウイルスの影響で、渡豪間近に入国者の14日間の隔離が決定。格安航空会社ですが、航空券をふいにして泣く泣くバリ島を後にしたといいます。

この頃は春休みの卒業旅行シーズンでもあり、影響を受けた人は少なくないでしょう。今は国内・海外問わず旅行は自粛して家にいるべき時ですが、この機会に新型コロナに関連して受けた損害について、海外旅行保険の補償を確認してみましょう。

旅行変更費用の補償は?

新型コロナも含め、旅先で病気になり、治療を受けた時は、「治療費用」で補償を受けられます。治療開始日からその日を含め、180日以内に支出した診療費や薬剤費など、治療に関連する費用が補償されます。加えて旅程の変更にかかった費用や帰国費用に至るまで、保険金額を上限に幅広くカバーされます。

旅行中にかかった病気については帰国後の治療費も補償されますが、保険期間終了後72時間以内に発病・治療開始の場合が対象です。

今回、新型コロナの影響から出国前に旅行を中止したり、愚息のように中断して帰国したりした人もいるでしょう。この場合「旅行変更費用」で補償を受けられる可能性があります。一定事由に該当すると、旅行の取り消し費用や帰国費用等がカバーされる特約で、本人や一定の親族の死亡や入院、遭難や救助などの他、感染症による一定の影響も対象になります。

日本政府が渡航先に対する退避勧告等を発出した、あるいは日本もしくは外国の官公署の命令、外国の出入国規制、または感染症による隔離が発せられた時の旅行中止・中断が対象で、今回のケースはまさに保険金の支払事由に該当します。なお、勧告等が発出された後に保険契約が締結された場合、および勧告が発出されていない段階で、自己判断で中止・中断した場合は、補償を受けられません。

感染の可能性があり、入国後に隔離・収容され旅程が長引くケースもあったでしょう。この場合、自宅帰着まで保険期間が自動延長され、妥当な期間であれば延長分の追加保険料は不要です。

この特約は、旅行会社などで契約する海外旅行保険に付帯されることが多く、シンプルな補償ラインアップのウェブ契約の保険だと付帯できないことがあります。少額短期保険にも、旅行中止時の「キャンセル費用補償保険」がありますが、感染症による影響は補償がないことが多いよう。またクレジットカード付帯の海外旅行保険の補償はカードによりけりですが、旅行変更費用は含まれないことが多いようです。

清水 香(しみず かおり)
生活設計塾クルー。学生時代から生損保代理店業務に携わり、2001年、独立系FPとしてフリーランスに転身。翌年、生活設計塾クルー取締役に就任。『どんな災害でもお金とくらしを守る』(小学館クリエイティブ)など著書多数。FP&社会福祉士事務所 Office Shimizu 代表。

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