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休業要請見送り、愛知知事「国などと足並みそろえる」

愛知県は10日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う県独自の緊急事態宣言を出した。大村秀章知事は「県民に一段と厳しいステージで自粛をお願いする」とし、5月6日までの平日を含め不要不急の外出自粛を呼びかけた。医療体制拡充や経済対策などを柱とする緊急対策も発表。一方、県内経済に影響が大きい一部業種への休業要請はこの日は見送った。

愛知県独自の緊急事態宣言を出した大村知事(10日、愛知県庁)

大村知事は記者会見で「県民のみなさんの命と健康を守ることを最優先にあらゆる対策を講じる」と述べた。宣言には外出自粛のほか、学校など多数の人が利用する施設の利用制限、輸送事業者に必要に応じて緊急物資の運送を要請することなどを盛り込んだ。法的根拠はないが、強いメッセージを打ち出し感染拡大に歯止めをかける。

東京都が同日公表した一部業種への休業要請については「(国などと)足並みをそろえていかないといけない」として、この日は見送った。一方、医療機関や金融機関などのほか、食堂やレストラン、生活必需物資の小売関係(百貨店・スーパー、コンビニ、ドラッグストア)などの業種は感染防止措置を講じた上での事業継続を求めた。

大村知事は休業を求める業種として「基本的には3つの密(密閉、密集、密接)がそろい、人が集まりやすい事業」との考えを述べた。今後、国や他の自治体の動きを踏まえて判断する。

緊急対策には、外出自粛や訪日外国人(インバウンド)の減少などで経営に打撃を受ける中小事業者への支援策を盛り込んだ。大村知事は「中小の資金繰り対策は引き続き必要だ」だとし、融資に必要な信用保証料を県が肩代わりする県独自の「緊急つなぎ資金制度」について、「必要に応じて拡充、拡大を検討する」との意向を示した。金融機関にも中小への資金繰り支援を呼びかける。

企業のテレワークの導入支援のほか、学校の臨時休校に伴う牛乳・乳製品の販路拡大なども支援する。県営名古屋空港を使用する航空運送事業者の着陸料などの支払いも猶予する。

医療面での対策も盛り込んだ。現在は県内の医療機関の病床が約250床、軽症者向けの生活施設で約200室分を確保している。大村知事は「受け皿をつくらないといけない。いざとなれば拡大できる準備はできている」とし、感染状況に応じて増やす意向を示した。感染者の早期発見に向け、PCR検査体制の拡充も進めるという。

県民生活への対策では、休業・失業などで収入が減った世帯への支援のほか、解雇などで住宅の確保が難しくなった人に県営住宅を提供する。言葉の壁で情報が乏しくなりがちな外国人に対しては、多言語での情報発信を進めるという。

独自宣言は政府による特別措置法に基づく緊急事態宣言と異なり法的裏付けは無く、実効性は不透明な面もある。愛知県は政府の宣言の対象地域から外れ、大村知事は追加指定するよう求めた。政府は愛知の宣言の効果を見極め、専門家の意見を踏まえて追加するか判断する見通しだが、先行きははっきりしない。

大村知事は今回の新型コロナの感染拡大に伴う県内経済の損失額について「現段階ではそこまでのものは持ち合わせていない。まずは感染の防止だ」と述べた。感染防止に向け、多くの業種に休業を求めれば経済活動への打撃も大きくなる。大村県政は難しいかじ取りを求められている。

休業対象は「3つの密そろう場所」



 大村知事の記者会見での主なやり取りは次の通り。
 ――休業要請は。
 「国や7都府県が準備している。足並みをそろえてやる。(国などの)状況を注視する」
 ――事業継続を求めた業種は含まないのか。
 「入らない。基本的には3つの密がそろう場所。人が集まりやすい事業を対象にする」
 ――企業支援の具体策は。
 「中小への資金繰り対策は引き続き必要だ。(県の)緊急つなぎ資金制度は状況を見ながら拡充、拡大を検討する。政府系金融機関の融資もあるので、状況を見て必要なら追加したい」
 ――新型コロナによる経済的な損失は。
 「現段階ではそこまでのものは持ち合わせていない。まずは徹底した外出・行動の自粛をお願いし感染を防止したい」

(小野沢健一)

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