新型コロナでデフレ圧力 3月企業物価5カ月ぶり下落
日銀が10日発表した3月の企業物価指数(2015年平均=100)は101.1と、前年同月比で0.4%下落した。下落は5カ月ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞や原油価格の下落が響いた。19年10月の消費増税の影響を除く指数は99.5と2.0%下落した。下落幅は3年4カ月ぶりの大きさで、水準も2年5カ月ぶりの低さだった。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの物価動向を示す。3月は産油国の増産で原油価格が大幅に下落したほか、新型コロナの感染拡大で銅などの素材の需要も急減し物価を押し下げた。
需要段階別で見ると、消費者物価指数(CPI)に近い最終消費財の指数は2.2%下落の94.2となった。内訳では自動車や携帯電話といった耐久消費財が2.9%、ガソリンなどの非耐久消費財が1.8%、それぞれ下落した。第一生命経済研究所の藤代宏一氏は「先行指標である企業物価の下落はCPIの下振れにつながる可能性がある」と話している。
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