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安川電の前期、純利益65%減 通期業績予想未定

安川電機が10日発表した2020年2月期の連結決算は、純利益が前の期比65%減の144億円だった。米中貿易摩擦の長期化で世界的に設備投資を手控える動きが広がり、産業用ロボットなど主力製品が低迷した。期末にかけては半導体関連で需要回復の動きが見られたが、足元では新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。顧客の動向が不透明とし、今期の業績予想は3~5月期のみの開示とした。

前期の売上高は13%減の4109億円だった。工作機械や半導体製造装置などに搭載する基幹部品「サーボモーター」や産業用ロボットなど、主力製品がそろって減収となった。地域別では中国が23%減と落ち込みが大きかった。営業利益は55%減の223億円だった。売り上げの減少や在庫調整の影響で稼働率が下がり、採算が悪化した。

設備投資の先行指標として注目される12~2月期の受注額は、前年同期比4%減と3四半期連続でマイナス幅が縮小。半導体や電子部品関連で市況回復が続いている。ただ、新型コロナの感染が先行して広がった中国は15%減と前の四半期(3%減)よりマイナス幅が拡大。3月以降に感染が世界に一気に広がり、不透明感が強まっている。

安川電機によると、12~2月期は新型コロナが売上高で70億円、営業利益で25億円目減りする要因になったという。北九州市の本社で同日記者会見した小笠原浩社長は「新型コロナがなければ、20年2月期の業績予想を達成できた」と指摘。そのうえで「(感染の広がりが緩やかになった)中国は足元でフル生産プラスαで稼働している。ただ、6月以降の動きをどうみるかは本当にわからない」と指摘した。

顧客の設備投資の状況が見通せないため、21年2月期の通期業績と配当の予想は未定とした。代わりに出した20年3~5月期の業績予想は、純利益が30億円を見込む。今期から国際会計基準を適用するため単純比較できないが、日本基準の前年同期(47億円)と比べて実質36%の減益となる。売上高に相当する売上収益は925億円と、実質14%減となる見通しだ。

セグメント別の営業損益ではサーボモーターを含む「モーションコントロール」事業で52億円の黒字を見込む一方で、ロボット事業は8億円の赤字とした。半導体関連が回復基調にある一方で、自動車関連の低迷が続くとみている。

今後は新型コロナの感染拡大の影響がどこまで広がるかが焦点となる。日本工作機械工業会(日工会)が発表した3月の工作機械受注総額(速報値)は、前年同月比40.8%減と、リーマン・ショック後の09年10月以来、10年半ぶりに減少率が4割を超えた。自動車関連で工場の生産停止が広がっている。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成氏は前期決算について「数字自体は想定通り。回復の方向感を把握するには3~5月期の実績とその後の見通しが出てからになる」と話す。

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