新型コロナ抗体測定キット開発 岩手のセルスペクト

2020/4/10 19:08
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セルスペクトの抗体測定キット「クオリサーチ」。検体が感染していると試薬に反応して色が変わる(10日、盛岡市)

セルスペクトの抗体測定キット「クオリサーチ」。検体が感染していると試薬に反応して色が変わる(10日、盛岡市)

医療関連ITのセルスペクト(盛岡市)は10日、新型コロナウイルス感染者の血液中に含まれる抗体を測定するキットを開発したと発表した。感染判別法は国内ではPCR検査が主流だが、検出精度は50~70%とされる。抗体検査と併用することで、精度を90%程度まで高められる可能性があるという。まず研究者向けに13日以降に出荷し、体外診断薬としての承認を目指す。

開発したのは、「クオリサーチ」と名付けた測定キットシリーズ。まず、血液中の抗体の分量を測定する酵素免疫測定法(ELISA法)を採用した研究者向けのキットを13日以降発売する。

ELISA法のキットは、10種類の試薬と検体を反応させるくぼみが96カ所ある専用の「ウエル」で構成し、1度に96人分を検査できる。検体と試薬を反応させて2時間ほど経過すると、新型コロナに感染した検体は無色から青色を経て黄色に変わる仕組みだ。

検体が感染していると2本の線が現れる(10日、盛岡市)

検体が感染していると2本の線が現れる(10日、盛岡市)

新型コロナの検査では、国内ではウイルス自体を検出するPCR法が主流だが、海外ではELISA法と併用するケースが多いという。

岩渕社長は「海外の論文によると、PCR検査は感染初期でもウイルスを見つけられるが、精度は70%程度」という。抗体検査は精度がより高く、検査コストも安いが、感染から10日ほど経過して十分な抗体が体内で作られている必要があり、「併用することで、検出精度を9割程度まで高められるようだ」と話す。

さらに「クオリサーチシリーズは試薬などを国内で生産しており、安定して供給できるのが強み」とも指摘している。

また、インフルエンザ検査で使われている「イムノクロマト法」を採用し、15分で感染の有無が分かる簡易検査用のキットも開発。5月に研究者向けに発売する。

ELISA法のキットは検査時間が約2時間かかるため、約30分に短縮する「迅速ELISA」キットも6月に発売する。今後は検査精度を確かめたうえで、体外診断薬としての国の承認を目指す。

セルスペクトはヘルスケア産業の岩手県内への集積を目指す医工連携グループ「TOLIC」(東北ライフサイエンス機器クラスター)に参加している。TOLICでは、このほか、PCR検査向けの小型電動ピペットを開発するなど、新型コロナ対策支援製品の開発に取り組んでいる。

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