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WHO事務局長への攻撃疑惑、台湾当局「中国の情報工作」と指摘

中国と非難の応酬

【台北=伊原健作】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が台湾から人種差別攻撃を受けたと主張した問題を巡り、台湾当局が10日に記者会見し、「台湾が実際に攻撃したように見せかけるため、中国が情報工作を行った」と表明した。一方の中国側は台湾がWHOを攻撃していると批判し、非難の応酬になっている。

10日に記者会見した台湾の張・調査局主任(新北市内)

この問題は、テドロス氏が8日のジュネーブでの記者会見で「3カ月以上にわたり脅迫や人種差別攻撃を受けており、攻撃は台湾から来ている」と述べたことが発端。

テドロス氏は台湾の外交部(外務省)が「私を非難している」とも述べたが、台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統や外交部は事実無根と否定し、交流サイト(SNS)ではテドロス氏に謝罪を求める声が渦巻くなど波紋が広がっている。

台湾の法務部(法務省)調査局の情報セキュリティー部門の張尤仁主任が10日に記者会見し、中国のネット工作員が関与した疑いが強いと表明した。テドロス氏の会見の直後からツイッター上で台湾人を名乗る40以上のアカウントを使い、テドロス氏への攻撃を認め謝罪を呼びかける書き込みを計100件以上投稿していたという。

投稿はいずれも台湾の健康保険証カードの一部の画像を添付したり、「台湾人を代表して謝罪する」などと、自らが台湾人だとことさらに強調していた。また過去の投稿などを検証すると、台湾ではなく中国で使われる字体が目立つという。

張氏は「過去の書き込みなどから、中国のアカウントだと判断できる」と指摘した。IPアドレスから発信元をたどることはできていないが、「台湾が個人攻撃をしたと見せかける情報工作であるのは明白だ」とした。

一方、中国国営新華社によると、中国で対台湾政策を所管する国務院(政府)台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は9日、台湾独立志向を持つ与党・民主進歩党(民進党)系のネット工作員が「WHOと責任者に悪質な攻撃を仕掛けた」「人種差別的な言論を広げた」などと批判した。新型コロナを利用して台湾独立運動を行っているとも主張した。

台湾は「一つの中国」原則を掲げる中国との関係上、WHOに加盟できていない。蔡総統は9日、「台湾は長年国際組織から排除され、孤立や差別がどんなものか、誰よりも理解している」と指摘した。台湾の人々が「差別と孤立に直面しながら世界に貢献しようと努力していると知ってほしい」とし、テドロス氏を「台湾に招待したい」と表明した。

台湾は米欧など感染拡大が深刻な国・地域にマスクを送るなど国際社会との連帯を深め、孤立の打開につなげる戦略を推進している。中国側はこれを台湾独立に向けた動きとみなし、批判を強めている。

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