遠隔授業で教科書利用可能に 改正著作権法、28日施行

2020/4/10 10:31
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子どもが遠隔授業を受けやすい環境を整える

子どもが遠隔授業を受けやすい環境を整える

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は10日、教科書などの著作物をインターネットなどによる遠隔授業で使えるようにする改正著作権法を28日に施行する政令を閣議決定した。政府の緊急事態宣言発令で多くの小中高校や大学などで休校が続く中、遠隔授業をしやすい環境を整えて学習の遅れが生じないようにする。

ネットやテレビを通じた遠隔授業で、教科書などの著作物を自由に無償で使えるようになる。このほか、予習・復習用の教材を、教員がメールで子どもに送ったり、外部のサーバーで共有したりできるようになる。

従来の著作権法は、教員と子どもが実際に対面する授業で著作物を複製して使うことや、その様子を離れた場所に中継することは認めていた。著作物の内容を遠隔授業でネットなどで配信する際は著作権者から個別に許諾を得る必要があった。

改正著作権法は2018年5月に成立した。一定の補償金を「授業目的公衆送信補償金等管理協会」(SARTRAS)に支払えば、無許諾で著作物を利用できる仕組みにした。3年以内に施行する予定だったが、補償金の額などを巡って関係者間で協議が続き、制度開始にメドが立っていなかった。

新型コロナの感染拡大による休校が都市部を中心に長期化することが懸念される中、文部科学省は地域によって教育格差が出かねないと懸念。遠隔授業の導入を学校側に促すため、同法施行を急ぐことにした。SARTRASも新型コロナ対策として20年度に限り、学校側から補償金を徴収しない特例措置を導入することを決めた。

政令決定を受け、同省は遠隔授業を始める上での具体的な支援策づくりを進める。まず無償で利用できる著作物の範囲を示す。関係者によると、教科書や資料集などの大半は無償で利用できる見通し。一部の計算ドリルや問題集については対象外とする。

これらを踏まえ、SARTRASは遠隔授業を始める教員向けに具体的な事例などを盛り込んだマニュアルをまとめ、来週にも公表する方針。感染状況によっては休校が5月の大型連休明け後も続く地域が出てくることも想定し、遠隔授業を支援する態勢づくりを急ぐ。

同省の調査では、政府が緊急事態宣言の対象とした東京や大阪など7都府県の公立の幼稚園や小中高校のうち、6日時点で「予定通り再開」と回答したのは11%。全国では62%だった。大学や短大、高等専門学校も全国の約8割が開講を延期する。

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