米社債価格が急上昇、FRB支援 NYダウ285ドル高

2020/4/10 5:22 (2020/4/10 6:18更新)
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【ニューヨーク=後藤達也】米国の信用収縮に歯止めがかかってきた。米連邦準備理事会(FRB)が9日、大規模な金融支援を発表し、企業の資金繰り不安が後退したためだ。ニューヨーク市場では社債の価格が上昇(金利は低下)。不安視されてきた低格付け社債は特に買われ、3月の下落分をほぼ埋めた。ダウ工業株30種平均も前日より285ドル上昇した。

FRBは9日朝、総額2兆3千億ドル(約250兆円)の緊急資金供給を決めた。大企業の社債を7500億ドル買い取るほか、中小企業には6千億ドルの資金を融通する。米企業が持つ現預金(1兆3千億ドル、2019年末)を上回る規模だ。新型コロナウイルスの感染拡大は予断を許さないが、企業の資金繰り不安は当面収まりそうだ。

低格付け社債を対象とした上場投資信託(ETF)の価格は前日比7%上がり、約12年ぶりの上昇率を記録した。FRBが一部の低格付け社債も購入対象としたことが好感された。3月に投機的水準に格下げされたフォード・モーターの社債は流通市場で買われ、金利が下がった。エネルギーやホテルの社債も金利が大きく低下。ローンを担保にした証券も買われた。企業は低い金利でお金を借りやすくなる。

ダウ平均は続伸した。終値は前日比285ドル高の2万3719ドルで、3月の安値からの上昇率は28%に達した。9日に上昇が目立ったのは銀行株だ。企業の破綻が抑えられ、与信コストが下がるとの見方からJPモルガン・チェースは一時10%強上昇した。航空やエネルギーなど3月に大きく値下がりした銘柄も買われた。

19年末時点で、米企業(除く金融)の社債発行残高は5兆7千億ドル、銀行からの借り入れは1兆1千億ドルだ。企業債務は過去10年で2倍以上に膨らみ、信用収縮が強まれば金融不安にもつながりかねないとの懸念があった。FRBは今回の金融支援のうち企業向けだけで1兆8千億ドルにのぼる。パウエル議長は「FRBの使命はできる限りの救済と安定を提供することだ」と強調した。

FRBは州政府の地方債買い取りなどにも5千億ドルを充てることも決めた。9日は地方債も社債同様に買われ、金利が下がった。地方債はこれまで、財政負担の拡大などで金利が上昇していた。

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