四国の高速バス、減便・運休相次ぐ 域内に余波も

2020/4/9 20:53
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四国のバス会社が政府の緊急事態宣言を受け、宣言の対象区域である東京や大阪向けの高速バスを運休したり減便したりしている。関西と距離的に近い徳島の事業者は徳島発のすべての路線を運休した。各社は地域内で路線バスも運行しており、路線バスの赤字を高速バスの利益で補うケースもある。頼みの高速バスが縮小すると収益悪化が加速しかねない。

とさでん交通は高知ー大阪線を減便し、20日からは運休する(9日、JR高知駅前)

徳島から関西、関東方面に高速バスを運行する海部観光(徳島県美波町)は8日から徳島発の神戸、大阪、京都、東京便などすべての路線を運休した。運休期間は「当面の間」としている。徳島バス(徳島市)も5日からは阿南・徳島―東京線を全面運休。大阪線も一部を減便している。

7日に緊急事態宣言が発令されてから、宣言対象地域の東京や大阪など7都府県との往来を控える動きが相次ぐ。高速バスの減便・運休は徳島の事業者だけでなく四国全体に広がる。

高松エクスプレス(高松市)は高速バス「フットバス」の減便を決めた。高松―大阪線を1日5往復減らして10往復に、高松―神戸線を同3往復減の5往復に。いずれの路線も13日から5月6日まで減便する。同社は東京線を運行していない。ジェイアール四国バス(高松市)は13日から高松と大阪、京都、兵庫を往復する路線を当面の間減便する。

高松エクスプレスは高速バスの専門会社。担当者は「新型コロナウイルスの影響で需要が減っている。3月のフットバス全体の利用客は前年同月比で半減するなど、大きな影響が出ている」と危機感を募らせる。

大都市間の運行にとどまらない。伊予鉄グループ(松山市)は松山・八幡浜―東京線の高速バスを10~30日に運休するほか、松山と四国3県の各県庁所在地を結ぶ路線も減便する。四国域内の移動も公共交通機関では不便になりつつある。

新型コロナの感染拡大に歯止めがかからない高知県。地域外との交流がさらに厳しくなる中、とさでん交通(高知市)は高知―大阪線を13日から19日まで1日2往復減らし、20日からは全便運休とする。東京線は8日から、名古屋京都線は12日から運休する。

同社は路線バス事業も持つ。片岡万知雄社長は6日、高知県バス協会会長の立場で浜田省司・高知県知事と面会。「地方のバス事業者は路線バスの赤字を高速バスと貸し切りバスの利益で補填する」と指摘し、「高速・貸し切りバスの(減便・運休といった)大きな影響が続けば路線バスを継続できない」と訴え、収益悪化への支援を求めた。

縮小する高速バスは地域の足のこれからにも影響を与えている。

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