休業要請対象を一部縮小 都、経済懸念の国に配慮

2020/4/9 18:03 (2020/4/9 18:46更新)
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東京都は新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた緊急事態宣言を巡り、当初休業を求める予定だった居酒屋やホームセンターなどを対象外とすることを決めた。経済活動への悪影響を懸念する国に配慮した。ただ、実際にいつから休業を求めるかははっきりしない。影響を受ける事業者からは早期の方針確定を求める声が出ている。

感染者が急速に増えている東京都では、小池百合子知事が「重大局面」として危機感を募らせていた。都庁内では緊急事態宣言を前提に、感染を抑え込むための休業要請対象施設について水面下で調整を進めてきた。

感染拡大防止を優先するなら、できるだけ幅広い網をかける方が効率的だ。都は居酒屋や百貨店、ホームセンター、理髪店なども対象に加えることを考えていた。

ただ、こうした考えの都に対し、国は経済への影響を懸念し、両者の間で意見の隔たりが生じていた。

今回、都が休業要請対象を一部見直したのは、国の懸念に配慮して一定の譲歩をしたためだ。国と都は8日深夜まで詰めの協議を続け、「居酒屋を含む飲食店」については全面休業は求めず、酒類の提供を午後6時まで、営業を午前5時~午後8時までとする案で折り合った。

一方、休業をいつから求めるのかについては「自粛要請の効果をみてから」とする国と、早期要請を望む都の間で議論がなお長引いている。都内の事業者からは「先行きが分からず対応しづらい」と戸惑いの声が上がっている。

緊急事態宣言が出た7都府県間の足並みもそろっていない。都以外の6府県には「(休業要請は)補償とセットでなければ理解してもらえない」(神奈川県の黒岩祐治知事)との意見が多い。「知事がきちんと権限を発揮できるようにしてほしい」と話す兵庫県の井戸敏三知事のように、国に損失補償の仕組みづくりを訴える声もある。

埼玉県の大野元裕知事は、感染拡大に歯止めがかからなければ「特措法に基づき休業要請などを求めることもある」としており、6府県の対応は外出自粛で感染をどれだけ抑えられるかにも左右されそうだ。

政府は7日に公表した基本的対処方針で「感染拡大防止の取り組みは政府、地方公共団体、事業者を含む国民などが一丸となって行うもの」と明記した。

だが関係者の歩調の乱れが続くようだと「一丸」からは遠い印象を与え、市民一人ひとりの外出自粛などの取り組みにも響きかねない。緊急事態宣言の実効性を損なわないためにも、早急な方針確定と、休業を求められる事業者に対する説明が求められる。

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