百貨店は時短拡大・バス減便 愛知独自の緊急事態宣言

2020/4/9 18:30
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愛知県の大村秀章知事は9日、県独自の緊急事態宣言を10日に発令する考えを示した。県内では新型コロナウイルスの感染者が急増しており、不要不急の外出の自粛を呼びかける。今後、業種によっては営業自粛を要請される可能性があることに加え、人出の減少が見込まれることから、百貨店が営業時間の見直しや休業を検討し、バス会社が減便に動くなど中部の企業は対応に追われた。

時短営業を知らせる百貨店の張り紙(9日、名古屋市中区)

時短営業を知らせる百貨店の張り紙(9日、名古屋市中区)

名古屋市内の百貨店はすでに営業時間を短縮するなどしているが、JR名古屋高島屋はさらなる短縮や休業を含めて検討する。名古屋三越はすでに10日から19日まで営業時間を短縮することを決めていたが「10日の発表内容を確認して対応を決めたい」とする。大丸松坂屋や名鉄百貨店も県内の店舗で追加の対応を検討する。東京などでは、食品売り場を除き休業にしたり、一部の店舗を全面休業にしたりといった動きが広がっている。

居酒屋チェーンのヨシックスは13日まで全国337店舗を臨時休業している。吉岡昌成会長は「14日以降は感染者の少ない地方店を開けて都市部の店を閉めるのも選択肢だ。改めて判断したい」という。コメダホールディングスや壱番屋は引き続き時短営業などで対応する。

愛知県に本店を置く地銀3行は10日以降も県内の店舗を通常営業するが、交代勤務で出勤する行員を減らす。中京銀行は行員を店舗で働く人と在宅に分ける。顧客の元に行員が出向くのは原則取りやめ、訪問する場合は支店長の決裁をとるようにする。愛知銀行は13日から交代勤務を導入し、名古屋銀行も取り入れる予定だ。

影響は交通機関にも及んでいる。名鉄バスはジェイアール東海バスなどと共同で一部の長距離高速バスを順次減便する。名古屋―高山間は1日あたり15往復を運行(同業含む)しているが、20日から12往復に減らす。名鉄バスが単独運行する中部国際空港発着の各線については15日から当面、全便を運休する。中部空港では1日から国際線の運航を休止している。

製造業ではトヨタ自動車が9日から愛知県豊田市の本社で在宅勤務を推奨し、事務系職場で活用が進む。感染拡大が顕著な東京では3月下旬、原則在宅勤務に切り替えた。トヨタグループの全国18の完成車工場のうち、愛知に7拠点が立地する。県の緊急事態宣言の発令を受けての稼働状況の変更は予定していないという。

デンソーは9日時点で県独自の宣言が出されても工場全体の稼働は止めない考えだ。日々状況が変わるため「より踏み込んだ対応を取る可能性はある」としている。アイシン精機は在宅勤務やテレワークを推奨しており、県の宣言を受けて愛知の拠点で利用拡大を検討する。

中部に集積する工作機械メーカーは工場をこれまで通り稼働する。オークマは作業場を分けるなど従業員同士の接触を減らし、感染を防ぐ。DMG森精機は全国の拠点で電車やバスといった公共交通機関での通勤を禁止にした。自家用車や自転車などでも通えない場合は在宅勤務や有給休暇などで対応する。

在宅勤務の増加や休校の延長で、家で食べる食料品の需要が高まっている。敷島製パンは食パンを中心に受注が増加している。安定供給に向けてハーフサイズの生産を中止し、1斤サイズの生産に注力する。公共交通機関を利用する社員にマスクを付与し、従業員の感染リスクを抑える。

大村知事は9日、緊急事態宣言の発令に伴う民間施設への休業要請について「全国的に統一した歩調でやるべきだ。愛知が率先するということにはなりにくい」との見解を示し、東京都と政府の議論の結果などを踏まえて判断することを示唆した。休業要請の対象業種についても「ひな型は準備してるが、相当のインパクトがあるので軽々にこうだといえない」と詳細は控えた。

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