「世界は大恐慌以来の景気悪化」IMF専務理事が警鐘

2020/4/9 21:00
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【ワシントン=河浪武史】国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は9日の講演で「新型コロナウイルスで、2020年の世界経済は大恐慌以来のマイナス成長になる」と指摘した。世界は金融危機だった09年も0.1%のマイナス成長になったが、さらに上回る落ち込みを予測した。世界各国は8兆ドル(約870兆円)の財政出動を用意しているとし、21年には「部分的に持ち直す」と主張した。

IMFは14日に世界経済見通しを改定する。1月時点では3%台のプラス成長を予測していたが、大幅に下方修正する。世界の主要金融機関が加盟する国際金融協会(IIF)は、20年の世界経済が1.5%のマイナス成長になると分析。世界経済は大恐慌とされた1930年前後にマイナス成長が続いたが、ゲオルギエバ氏は短期的には当時に迫る収縮が避けられないとの認識を示した。

日米欧や中国など20カ国・地域(G20)は近くテレビ電話形式で財務相・中央銀行総裁会議を開く。ゲオルギエバ氏はG20を中心に「世界各国で8兆ドルもの財政出動を予定している」とも指摘。景気悪化が数年続いた大恐慌時とは異なり「基本線としては、経済の再開によって21年は部分的に持ち直すと推測している」と述べた。世界各国の国内総生産(GDP)の合計は約90兆ドルで、財政出動はその9%に相当する規模だ。

もっとも、新型コロナは中国から米欧に影響が広がり、世界景気のけん引役も失いつつある。IMFは加盟国が189カ国あるが、ゲオルギエバ氏は「今年の1人当たり所得の伸びは、170カ国以上でマイナスになるだろう」とも指摘した。短期の景気悪化にとどめるには、利下げや資金供給などで金融システムの維持することが欠かせないと主張した。

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