粗鋼生産、11年ぶり低水準 4~6月期見通し

2020/4/9 16:06
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経済産業省は9日、4~6月期の粗鋼生産量が前年同期比25.9%減の1936万トンになるとの見通しを発表した。四半期の生産量が2000万トンを下回れば、リーマン・ショック後で需要が急減した2009年以来、11年ぶりだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で経済活動が冷え込む中、自動車や建設など幅広い業種で需要が縮小していることが響く。

四半期ベースの粗鋼生産量の2000万トン割れは、09年4~6月期以来の事態となる。4~6月期の鋼材需要も1828万トンと、前年同期比で18.1%減少する見通しだ。国内需要は災害からの復旧工事が残る土木を除き、自動車や建築、産業機械など産業別の全部門で前年から減る見込み。

さらに輸出環境も厳しい。輸出は同21.4%減の540万トンと見通す。米中貿易摩擦に伴い海外経済が減速基調にあったことに加え、新型コロナの影響により「さらに需要が弱くなることが見込まれる」(経済産業省金属課の蓮井智哉課長)という。

調査は3月上旬に実施した。だが、トヨタ自動車など国内の乗用車メーカーは、3月下旬以降に国内の工場も停止することを相次ぎ発表している。蓮井課長は「こうした影響も含めると、さらに鉄鋼需要に下振れリスクを与える」とした。

鉄鋼大手が急激な需要減少へ対応する動きも足元で始まっている。日本製鉄は7日、4月中旬から国内の製鉄所にある高炉を2基、順次一時休止すると発表。一時的に生産実績ベースで能力を1割以上引き下げる。JFEスチールなども同様の対応を迫られる見込みで、鉄鋼大手の苦境が鮮明になってきた。

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