重度障害児、悩む保護者 特別支援学校の休校延長

2020/4/9 12:07
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新型コロナウイルスの感染拡大で、重度障害児らが通う特別支援学校では休校期間を延長する動きが広がる。「感染すれば命に関わる」と休校に理解を示す保護者もいるが、家庭だけでのケアが難しい子の親からは「24時間の介護は難しい」と早期再開を望む声も。感染防止か、支援継続かで自治体や学校職員、保護者らは難しい選択を迫られている。

障害児用のバギーに乗る市川晃子さんの長女(3月、名古屋市)=市川さん提供・共同

「再開延期と聞いてほっとした」。名古屋市の特別支援学校へ中学2年の長女が通う市川晃子さん(44)は、愛知県が19日まで休校にするとした決定に胸をなで下ろした。脳性まひの長女は、自力で歩行と食事ができないため、教員が抱えての介助もあり濃厚接触は避けられない。県内でも経路不明の感染が増え「長女が感染しないよう再開しても欠席を考えていた」と明かす。

肢体不自由や病弱な子が通う特別支援学校では、一対一での介助が必要で、教員の出入りも多い。たんの吸引や栄養を胃や鼻にチューブで送る医療的ケアが必要な子もおり、こまめな消毒が欠かせない。気管に疾患がある子は、重症化の危険もある。

佐賀県の特別支援学校では授業が再開され、北海道でも来週にかけて始まる。東海地方の特別支援学校の女性職員は「命の瀬戸際を生きる子を集めて、学校を今始める必要があるのか」と疑問を呈する。

一方で再開を求める声も根強い。全国肢体不自由児者父母の会連合会(東京)の清水誠一会長は「休校すれば親が24時間態勢で介護をしないといけない子もいる。日中は看護師もいる学校に通わせたいとの母親の声は切実だ」と指摘する。

感染リスクを下げつつ重い障害のある子への支援をどう続けるか。さまざまな要望を踏まえ愛知県は、特別支援学校について、授業はしないものの自主登校とし、保護者が登校させるかどうかを選択できるようにした。

市川さんは「保護者が選べるのはありがたい。ただ20日に再開する可能性があり、また長女を通わせるかどうか悩むことになる」と複雑な思いを口にした。

〔共同〕

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