大阪の感染経路不明73%、東京上回る 累計500人超

2020/4/9 10:39
保存
共有
印刷
その他

大阪府内での新型コロナウイルスへの感染者数が8日、累計で500人を超えた。府が注視するのは(1)感染者数(2)検査で陽性となった患者の割合(陽性率)(3)感染経路が不明な患者の割合――の3つ。いずれも増加傾向で、特に経路不明の割合は東京都も上回る。市中感染の広がりがオーバーシュート(爆発的な感染拡大)につながりかねず、府は「警戒すべき状況」と危機感を高めている。

府は8日、府内での新規の感染者を43人確認したと発表。累計の感染者は524人となり、500人を超えた。4月2~8日の7日間の感染者は計246人。1週間前の7日間(3月26日~4月1日)は計129人で、1.9倍に膨らんだ。

3つの指標のうち、府が「最も注意すべき警戒ポイント」とするのは、感染経路が不明な患者の割合の増加だ。4月2~8日の1週間では73.2%に達し、直前の1週間の47.3%から大幅に高まった。

累計の感染者数が1300人を超え、オーバーシュートの危険水域に迫る東京都では、直近1週間の感染者は751人、経路不明感染者の割合は64.7%。大阪の経路不明の割合はこれを上回っており、深刻な状況といえる。

感染を調べる「PCR検査」の件数当たりの陽性率も緩やかに上昇しており、4月2~8日の7日間での陽性率は14.4%で、直前の1週間は12.3%。市中感染の広がりを示す経路不明の増加とともに、府は陽性率の上昇にも危機感を抱く。

水面下で感染が広がり、感染源を特定できないと、クラスター(小規模な感染者集団)の追跡による感染拡大防止策は困難になってくる。府が1日平均の感染者数1000人とするオーバーシュートへの警戒感も徐々に強まっている。

政府の緊急事態宣言発令を受け、大阪府は外出自粛を強く要請。通勤や通院、食料品の買い出しなど生活の維持に必要な場合を除く不要不急の外出を控えるよう求め、夜の繁華街への外出は特に避けるよう求めた。現時点では民間施設への休止要請を見送ったが、外出自粛が浸透していないと判断すれば、休止要請に踏み切る可能性がある。

感染症に詳しい関西福祉大の勝田吉彰教授は、府の感染拡大状況について「今は例えると塀の上をヨロヨロと歩いている状況。気を抜くと塀から落ち、医療崩壊につながりかねない」と警鐘を鳴らす。

さらに感染拡大が続けば、商業施設などの休業要請にも踏み込まざるを得ないと指摘。「『コロナ疲れ』と言っている場合ではなく、引き続き一人ひとりが感染拡大防止に取り組むべきだ」と話す。

吉村洋文知事は緊急事態措置の決定にあたり、「非常に厳しく、感染が急拡大してもおかしくない状況だ」と府民に警戒感を強めるよう訴えた。入院患者が急増して医療が崩壊するのを防ぐため、病床の確保や、軽症者向けの宿泊施設の確保を急ぐ考えも示した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]