米民主、新型コロナで選挙戦に制約 バイデン氏指名確実

2020/4/9 7:21 (2020/4/9 11:19更新)
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バイデン前副大統領(左)の勝利には挙党体制の構築が欠かせない=AP

バイデン前副大統領(左)の勝利には挙党体制の構築が欠かせない=AP

【ワシントン=永沢毅】米民主党の大統領候補選びは8日、中道派のバイデン前副大統領による党候補の指名獲得が確実となった。新型コロナウイルスの拡大で経済・社会不安が広がるなか、サンダース上院議員をはじめとする左派の支持を得て挙党体制を構築できるかが政権奪還のカギを握る。

「サンダース氏、とりわけ若者ら何百万人もの彼の支持者にとっていかに困難な決断だったかを分かっている」。バイデン氏は8日の声明でサンダース氏の撤退についてこう配慮を示した。「私はあなた方の声を聞く」と付け加えるのも忘れなかった。

バイデン氏が本選でトランプ氏を倒すには、サンダース氏を支持する若者からの得票が欠かせない。激戦州の一つである中西部ミシガン州でみると、3月の予備選では18~29歳の74%、30~44歳の52%がそれぞれサンダース氏に投票。バイデン氏の19%、44%を大きく上回った。若者に人気が高いアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員がサンダース氏への支持を表明したことも影響した。

2016年大統領選はサンダース氏を指名争いで熱狂的に支持した若者の多くが本選での投票を見送り、クリントン元国務長官の敗北につながる一因となった。その二の舞いを避けたいバイデン氏は優勢を固めた3月半ば以降、サンダース氏への批判を封印した。

バイデン氏の陣営内では、副大統領候補などの政権の中枢にサンダース氏と同じ左派のウォーレン上院議員の起用も取り沙汰されている。中道と左派の橋渡しを訴えていた同氏の要職への起用は、挙党体制にアピールにつながるとの読みがある。

オバマ前大統領もバイデン氏を後押しした。米CNNは8日、この数週間のうちにサンダース氏がオバマ氏と複数回会話していたと報じた。両氏の会話の内容は明らかになっていない。ただ、オバマ氏とのやり取りがサンダース氏の決断に影響を及ぼし、結果的として自らの政権で副大統領を務めた盟友バイデン氏の指名獲得の流れを早める効果があった可能性もある。

オバマ氏は2月末の南部サウスカロライナ州の予備選後にブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長と話し、中道派の結束に向けて暗に撤退を促したとされる。同氏は撤退するとすぐさまバイデン氏の支持に転じ、天王山の「スーパー・チューズデー」でバイデン氏が躍進する流れを作った。

「できるだけ多くの代議員を集め、党大会で大きな影響力を行使できるようにする」。サンダース氏は8日の演説で撤退を表明しながらも、予備選の名簿に残って代議員の獲得は続ける方針を示した。8月の党大会でバイデン氏の事実上の公約となる政策綱領に自らのリベラル色の強い主張を反映させる狙いがある。ただ、それが失敗に終わればサンダース氏の支持者の反発を招くリスクもある。

「バーニーの支持者は共和党に投票すべきだ。貿易だ!」。トランプ氏は8日、さっそくこう投稿してサンダース氏の支持者に秋波を送った。サンダース氏は自由貿易の重要性を訴えるバイデン氏よりも、むしろ環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱したトランプ氏に近い。トランプ氏の口先介入が民主の結束を試そうとしている。

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