世界貿易、20年は最大32%減 WTO予測

2020/4/9 1:55 (2020/4/9 2:03更新)
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WTOのアゼベド事務局長=ロイター

WTOのアゼベド事務局長=ロイター

【ジュネーブ=細川倫太郎】世界貿易機関(WTO)は8日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、2020年の世界のモノの貿易量が前年比で最大32%減るとの予測を発表した。世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱や大幅な需要減退が響く。世界金融危機後の09年(13%減)を上回る打撃になる可能性が高いと分析している。

WTOは2つの予測を示した。貿易の急減が長期にわたって続き、その後も回復が遅れる「悲観シナリオ」になった場合、貿易量は32%減る。これは戦後最悪の結果となる。一方、貿易は急減するものの20年後半から回復する「楽観シナリオ」でも、13%減になると予想した。19年10月時点では2.7%増を見込んでいたが一転、大幅なマイナスになる。

アゼベド事務局長は「貿易や生産の減少は避けられず、家計や企業にとって痛みを伴う結果をもたらす」と述べた。一方で「急速な回復は可能で、足元の決断がその後の経済成長の見通しを左右する」として、各国政府に早急な抜本的な対策と国際協調を求めた。

WTOは自動車の輸出入が大きく減るとみる=ロイター

WTOは自動車の輸出入が大きく減るとみる=ロイター

ただ、いずれのシナリオでもほぼすべての地域が2ケタの減少に見舞われる。輸出では北米が17~41%減と最も打撃を受けるほか、アジアも14~36%減る。輸入では中南米が22~44%減と最も厳しい。新型コロナの感染は世界に拡大し、工場の操業停止などを強いられている。WTOは特に電子機器や自動車の貿易が急減すると予測する。

米中の貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱など、以前から世界の輸出入には逆風が吹いていた。WTOによると、19年のモノの貿易量は0.1%減で既にマイナスに落ち込んだ。新型コロナの猛威が悪化に拍車をかけている格好で、先行き不透明感は強い。WTOは21年については流行がどれくらい続くかや政策の効果次第としたうえで、現時点で20年比で21~24%増とみている。

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