中国ネット通販の京東、湖北省で900億円投資

アジアBiz
2020/4/8 22:07
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【大連=渡辺伸、広州=比奈田悠佑】新型コロナウイルスで多くの感染者が出た中国湖北省で、大手ネット企業が相次ぎ事業強化を表明した。ネット通販の京東集団(JDドットコム)は8日、3年以内に同省で60億元(約900億円)を投資すると発表した。騰訊控股(テンセント)も従業員数を4倍に増やす。同省武漢市で8日に封鎖が解除されたため、両社は中国政府が進める経済の正常化を側面支援する。

京東集団は自社の物流網を活用し、湖北省武漢市に医療品を運んだ(1月26日)=AP

中国ネット通販2位の京東は、同省で物流関連の最新サービスを新たに投入する。2月に無人で荷物を配送するトラックを武漢市に整備しており、今後も台数を増やす。そのほか自社の物流倉庫で使用している配送作業を自動化できるロボットの供給などを検討する。

8日には湖北省の農政当局と提携する契約を結んでおり、同省の農家から買い上げる農産品を増やす。京東のネット通販で販売している湖北省の商品の売上高は4月1~7日、前年同期に比べて約2倍に増えており、さらに拡大させる方針だ。

中国ネットサービス大手のテンセントは7日、湖北省での人員規模を今後3年以内に現在の4倍に引き上げると発表した。具体的な人数は明らかにしていない。増やした人員はスマートシティづくりなどの分野に投入し、研究開発を加速する。

そのほか新型コロナの影響で需要が拡大しているオンライン教育では、現地に拠点を新たに設ける。中国自動車大手の東風汽車集団と組み、ネットを通じた配車サービスなど車産業のデジタル化に役立つ人材育成も進める。東風汽車は武漢を本拠地とする企業だ。

武漢市は新型コロナで中国全体の8割弱となる約2600人の死者を出したほか、多くの工場が停止し、経済への被害も甚大だった。中国政府は2カ月半ぶりに武漢の封鎖を解除したのを機に、経済の正常化を急ぐ。ただ市民に対する外出制限などは残ったままで、市民生活の正常化にはまだ時間がかかるもようだ。

新型コロナで自宅にこもる消費者が増えたため、中国のネット関連各社には追い風が吹いている。京東はネット通販の利用者が伸び、20年1~3月期の売上高が前年同期に比べ10%以上増える見通し。テンセントも足元ではゲームなどの利用者が堅調に推移している。

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