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介護と闘病と生死、巧みに 北上次郎氏が選ぶ3冊

愛するいのち、いらないいのち 冨士本由紀著

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診察室の前で、毛糸の帽子をかぶった20歳くらいの女の子が2人の連れと話している。「でもさ、今、私……これじゃん」と毛糸帽の女の子が指を4本立てる。ステージ4だから今日はケーキを食べると言っているのだ。抗がん剤を点滴した日の帰りに食べるスイーツは自分へのご褒美ということらしい。

そのときヒロインの目から涙がこぼれおちる。その涙を見て、毛糸帽の子が手を伸ばしてきて、ぎゅっと掴(つか)む。私たちの心も掴...

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