3月の街角景気、過去最悪に リーマン危機時を下回る

2020/4/8 14:11 (2020/4/8 16:14更新)
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新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休業した飲食店(6日、東京都中央区)

新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休業した飲食店(6日、東京都中央区)

新型コロナウイルスの感染拡大で景況感が急速に悪化している。内閣府が8日発表した3月の景気ウオッチャー調査によると、街角景気の現状判断指数(DI)は前月から13.2ポイント下がり14.2となった。2008年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災の直後を下回り、比較可能な02年以降で最悪となった。先行きの指数も18.8まで落ち込み過去最悪を更新した。

調査期間は3月25~31日。景気に敏感な業種・職種の経営者や現場の担当者ら約2千人に、3カ月前と比べた現状を聞いた。指数は「良くなっている」から「悪くなっている」まで5段階の回答の割合から算出する。

コロナの影響が広がり始めた前回2月に既に14.5ポイント下がっていた。2桁の落ち込みが2カ月続くのは初めてとなる。北海道から沖縄まで全地域で2桁の低下となった。

内閣府は街角景気の基調判断を「急速に厳しい状況となっている」から「極めて厳しい状況にある」に下方修正した。リーマン危機後の09年当初に使って以来の表現だ。

分野別では飲食関連が15.3ポイント低い0.7まで落ち込んだ。飲食店の経営者や従業員ら調査対象約100人のほとんどが「悪くなっている」と答えた。北陸の高級レストランは「企業接待、異業種会合、社内送別会などが軒並みキャンセルになった」。中国地方のスナックからは「この状態が続けば閉店が続出する」との声が漏れた。

旅行やレジャー施設などのサービス関連は17.9ポイント低い7.4に下がった。調査を始めた3月25日は都内で当時最多の41人の感染者が判明し、小池百合子知事が緊急記者会見で外出の自粛を求めた。近隣県もそれに続いた。北関東のテーマパークの職員は「首都圏の外出自粛要請が発表されてから客がさらに減少した」という。

「海外旅行は壊滅的。国内も自粛で伸びていない」(九州の旅行代理店)との声も上がる。

小売り関連は10.7ポイント低い16.0に下がった。南関東の百貨店は「全体的には過去に類を見ない厳しさだ」という。雇用関連の指数も一気に16.8ポイント下がり、13.6になった。四国の人材派遣会社は「求人がストップしている」。

2~3カ月先の景気の見方を示す先行き判断DIは5.8ポイント低下して18.8と、過去最悪になった。「この状況が2~3カ月続けば倒産もあり得る」(北関東の都市型ホテル)、「企業が採用意欲を取り戻すまで相当な時間がかかる」(近畿の職業安定所)、「3~4月の新社会人などの家具需要が落ち込んでいる」(九州の家具製造業)など厳しい声が相次いだ。

東北の観光名所の職員は「震災と違ってどのような形でゴールとなるかみえない」と嘆く。

先行きの指数が上向いたのは地域別で北海道だけ。2月28日に鈴木直道知事が独自に緊急事態宣言を出して外出自粛を求めていた。その後、爆発的な感染拡大が回避されたとして3月19日に宣言を解除した経緯がある。

足元で感染拡大に歯止めのかからない東京や大阪など7都府県には7日、政府が法的な緊急事態宣言を出した。少なくとも5月の大型連休まで外出の自粛要請が続く。飲食店などは一段と厳しい状況に追い込まれる可能性がある。

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