タイ、6兆円の経済対策第3弾 GDPの1割
新型コロナ感染拡大で
【バンコク=村松洋兵】タイ政府は7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた第3弾の経済対策を閣議決定した。総額は1兆9000億バーツ(約6兆円)で、国内総生産(GDP)の1割に相当する。失業者向けの現金給付の拡大や、タイ中央銀行による企業への低利融資を盛り込んだ。

社会保障を受けられない失業者ら900万人に現金5000バーツを6カ月間給付する。第2弾の経済対策で300万人に3カ月間給付するとしていたが、想定を大幅に上回る申請があったため拡大した。新たに農家への財政支援も加えた。
中小企業の資金繰り対策として、タイ中銀が年利2%で融資したり、社債を購入したりできるようにする。タイ中銀による企業への直接的な融資は、2011年の大規模洪水の発生を受け、12年にも実施された。
第1、2弾と合わせた経済対策の総額は2兆5000億バーツとGDPの15%に達する。
タイでは3月下旬に非常事態宣言が発令され、生活必需品を扱う店を除き大半の商業施設が営業停止となった。外国人の入国を原則的に禁じており、主要産業の一つである観光業も深刻な打撃を受けている。タイ中銀は20年の経済成長率が前年比マイナス5.3%に落ち込むと予測している。
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