宣言対象外でも対応急ぐ、アイシンは業務補完も
新型コロナ・中部の衝撃

2020/4/7 19:30
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安倍晋三首相が7日、新型コロナウイルスの感染が急速に広がっている7都府県に緊急事態宣言を出した。愛知、岐阜、三重の中部3県は対象外だが、週末の外出自粛や従来の在宅勤務に加え、企業では平日も一段の対応に追われている。

休業を知らせる飲食店の張り紙(名古屋市中区)

中部はグローバル企業が多く、3県に本社を構えながらも東京、大阪の拠点が重要な役割を担っているところが多い。

■東京の業務、肩代わり

アイシン精機はそのひとつだ。緊急事態宣言を受け、東京のオフィス機能を愛知県刈谷市の本社で補完できないか検討している。東京の従業員はすでに在宅勤務に移行しているが、請求書の処理などで出社が必要な場合、部門の垣根を越えて愛知で決済するケースなどを想定している。

在宅勤務の対象者を増やしたり、出張禁止のエリアを広げたりする企業もある。東京や大阪への出張を取りやめているジェイテクトは7日、緊急事態宣言の対象外の四国への出張も原則禁止とした。日本ガイシは大阪と福岡の営業拠点にいる計25人の従業員に原則在宅勤務に切り替えるように通知した。東京にいる約100人は、既に約8割が在宅勤務という。

ただ、製造現場では抜本的な対策を取りにくい。住友理工は介護や育児が必要な社員を対象としていた在宅勤務をほぼ全社員に広げながらも、生産ラインに従事する現場や技術者は通常勤務を続けるという。

■平日も自粛ムード

平日も自粛ムードが広がるなか、外食では休業する店舗が増えそうだ。居酒屋チェーンを展開するヨシックスは13日まで全国337店を臨時休業する方針を決めた。吉岡昌成会長は「経営には痛手だが、集中的に休んで感染拡大の防止に協力したい」と話す。同時にアルバイトにも休業補償として一定の賃金を支払う。再開後をにらみ、手慣れたスタッフに定着してもらう狙いだ。

焼肉店などを展開する物語コーポレーションは、30日まで国内の直営302店の全店臨時休業を決めた。

緊急事態宣言が出ても都市封鎖は行われないが、人やモノの移動は一定程度、制限されそうだ。JR東海は乗客の減少を見込み、5月15、22、29日の3日間で「のぞみ」の運転を計45本取りやめると決めた。3日間の全運行本数の3%にあたる。6月以降についても「社会情勢や利用状況などで計画を変更する可能性がある」という。

中部国際空港(愛知県常滑市)はすでに国際線の離着陸便が05年の開港以来、初めてゼロになっている。国内線も福岡、成田、羽田といった緊急経済宣言の対象地域路線については「各航空会社の判断」とする。中部発着の成田、羽田線は国際線の乗り継ぎ客も多いため「今後、一段の減便は避けられない」(ある航空業界関係者)との見方がある。

■ホテル、稼働率1割も

東名高速道路などを運営する中日本高速道路は「国や自治体の要請がない限り、通行止めやサービスエリアの休業などは考えていない」という。

折からの訪日外国人(インバウンド)減少と外出自粛がダブルパンチとなり、観光地からは悲鳴があがる。感染拡大前は観光客であふれていた岐阜県高山市。十六総合研究所によると「高山市のホテル稼働率は1割程度まで下がっている」という。市のサンプル調査では3月の訪日客の宿泊数は前年同月比9割減だった。緊急事態宣言を受け「4月はさらに厳しなる」(高山市の田中明・海外戦略部長)とみる。

名古屋商工会議所の山本亜土会頭は「約1カ月間に及ぶ発令期間中、国民生活や経済への影響は相当なものになる」と先行きを懸念する。

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