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国際特許出願、中国が初の首位 米を逆転

アジア勢が技術革新をけん引

【ジュネーブ=細川倫太郎】世界知的所有権機関(WIPO)が7日発表した2019年の特許の国際出願件数によると、中国が米国を追い抜き初めて世界トップに立った。個別企業では中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)が3年連続で首位。上位50社のうち6割以上を中国と日本、韓国の企業が占め、アジア勢が技術革新をけん引する構図が鮮明だ。

世界全体の出願件数は前年比5%増の26万5800件と、過去最多を更新した。デジタル通信やコンピューター技術で申請が目立つ。次世代通信規格「5G」や人工知能(AI)など先端技術の開発競争が激化し、企業や研究者が知的財産権の保護を強化している。出願のうち52%はアジアからで、欧州と北米はそれぞれ23%と続く。

首位の中国の出願は11%増の5万8990件。1999年には276件しかなかったが、この20年間で急増した。中国政府はハイテク産業政策「中国製造2025」を打ち出し、補助金を自国メーカーに集中投入している。近年はドローンやAI、再生医療などの分野で存在感が増している。

米国は1978年以来40年間首位を維持してきたが、今回5万7840件(3%増)と2位に転落した。日本は5万2660件(6%増)と前年と同じ3位。WIPOのガリ事務局長は「中国の急速な成長は、技術革新の中心が世界の東側へ長期的にシフトしていることを示す」と話す。

個別企業で首位のファーウェイは、19年12月期の研究開発費が1317億元(約2兆円)と前の期に比べ3割増えた。5Gの分野で積極的に投資している。中国スマートフォン大手OPPO(オッポ)は低価格で機能性の高い製品の開発に力を入れ、前年の17位から5位に躍進した。2位の三菱電機は日本企業で唯一トップ10入りした。

国際特許出願で中国が首位となったことで、米中の技術覇権争いは一段と激しくなりそうだ。3月のWIPOの事務局長選挙で米国は日欧などに働きかけ、有力視された中国人候補者の当選を阻止した。トランプ米政権は中国の知財の窃取を非難し、中国人トップが誕生すれば知財の重要な情報が中国に流れかねないとの危機感を強めた。

一方、中国は「知財強国」を宣言し、莫大な研究開発費を投入している。19年1月には最高裁に知財を巡る紛争を専門に扱う法廷を設けた。米中企業は有力スタートアップへの出資や買収も増やしている。日本はいち早く有望な技術を見つけ投資を増やさなければ競争から脱落するとの懸念が強まっている。

国際特許は特許協力条約(PCT)に基づく制度で、1つの加盟国への出願で複数国に出願するのと同じ効果がある。企業や大学の技術力や国際化を示す指標とされる。

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