首相「医療支援、重症者に」 緊急事態宣言で記者会見

2020/4/7 17:51 (2020/4/7 20:14更新)
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安倍晋三首相は7日夜、新型コロナウイルスの感染拡大を伴う緊急事態宣言の発令を踏まえた記者会見を首相官邸で開いた。新型コロナへの医療対応について「医療現場を守るためあらゆる手を尽くす。医療物資を国内で増産している。異業種の力も借りてさらに提供体制を強化する」と述べた。

今後の対応では「医療支援を重症者支援に振り向け、病院の機能維持を図る」と強調した。「軽症者や症状のない感染者は医療機関ではなく、宿泊施設で療養頂くことで医療機関の負担を軽減する」と語った。

「必要があれば自衛隊などの医療スタッフを導入し、臨時の医療施設とすることも可能だ」とも説明した。

首相は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い「経済は戦後最大の危機に直面している」と強調した。「強い危機感の下に雇用と生活は断じて守り抜く」としたうえで「過去最大級の経済対策を実施する」と訴えた。

緊急事態宣言の発令について「もはや時間の猶予はないとの結論に至った。国民生活に甚大な影響を及ぼすと判断した」と述べた。

今後の対応では「医療への負荷を抑えるために最も重要なことは感染者の数を拡大させないことだ」と指摘した。「そのためには何よりも国民の皆様の行動変容、つまり行動を変えることが大切だ」と訴えた。

「生活の維持に必要な場合を除き、みだりに外出しないよう要請すべきだと考える。事態は切迫している」と強調した。

感染拡大への対応で「緊急事態を1カ月で脱出するには人と人との接触を7割、8割減らすことが前提だ。社会機能を維持するため仕事は原則自宅でしてもらう」と呼びかけた。

「生活必需品の買い物など、どうしても外出する場合には密閉、密集、密接の『3つの密』を避ける行動を徹底するようお願いする」と要請した。

バー、ナイトクラブ、カラオケ、ライブハウスへの出入りは控えるよう訴えた。「飲み会はもとより家族以外の多人数での会食も行わないようお願いする」と強調した。

「地方に移動するなどの動きは厳に控えてほしい」と求めた。「地方には重症化リスクが高い高齢者もたくさんいる」と指摘し「感染リスクを高めることがないようお願いする」として都道府県をまたいだ移動を控えるよう要請した。

緊急事態宣言の対象となる7都府県以外の地域についても「いつ広がるか分からない。『3密』には十分注意してほしい」と訴えた。

記者会見する安倍首相。左は諮問委員会の尾身会長(7日、首相官邸)

記者会見する安倍首相。左は諮問委員会の尾身会長(7日、首相官邸)

緊急事態宣言を巡り「社会機能はしっかりと維持していく。自治体とも協力しながら電気やガス、通信、金融、ゴミの収集・焼却など暮らしを支えるサービスは通常通り行う」と述べた。

交通機関についても「海外のようなロックダウン(都市封鎖)ではない。今後も電車やバスの公共交通機関は運行される。道路を封鎖することはないし、必要も全くない」と語った。

食料品などの生活必需品を販売する小売店の営業も維持すると説明し、買いだめなどの行動は不要だとの認識を強調した。「正しい情報に基づいて冷静な行動をお願いする」と訴えた。

緊急事態宣言時の理髪店の営業自粛については「理髪店はこれまでにクラスター(感染者集団)が発生していない。今回は対象と考えていない。理美容は事業継続が必要なサービスだ」と説明した。感染拡大防止策を講じながら、保育所や学童保育も規模を縮小して開所すると説明した。

新型コロナウイルスへの治療効果が期待されている抗インフルエンザ薬「アビガン」について「120例を超える投与が行われ症状改善に効果があったと報告を受けている」と明らかにした。

アビガン備蓄の拡大も表明した。「希望する患者への治療をできる限り拡大する。アビガンの備蓄量を現在の3倍、200万人分まで拡大する」と強調した。

首相は記者会見に先立ち、7日夕に開いた政府の新型コロナウイルス感染症対策本部で、特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令した。

対象は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県で、期間は5月6日までの1カ月間とした。緊急事態宣言の発令は初めてとなる。

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