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新型コロナ、マレーシアのスタートアップにも影

全世界で猛威を振るう新型コロナウイルスが、東南アジアで事業展開するスタートアップの経営にも影を落としている。こうしたなか、マレーシアのカーシェアリングサービス、Moovby(ムーブバイ)は新型コロナの感染拡大で地域の観光業や関連産業が低迷したことを受け、成長戦略の見直しを迫られている。

ムーブバイのニック・ムハンマド・アミン最高経営責任者(CEO)がディールストリートアジアのインタビューに応じた。同社はピア・ツー・ピア(P2P)と呼ばれる個人間取引のカーシェアリングサービスを提供している。

新型コロナウイルスの影響はマレーシアのスタートアップにも及ぶ=ロイター

1月にシンガポールのベンチャーキャピタル(VC)から7万4000ドル(約800万円)を調達し、シード期で累計調達額は50万ドルとなった。2月には年内のタイやシンガポールへの進出も表明していたが、新型コロナがマレーシアとインドネシアの事業を直撃。感染拡大前の予約数は前月比で20%増のペースで推移していたが、3月の初週と第2週は前月比で30%減ったという。

アミンCEOは「シンガポールやインドネシアのVCと資金調達について話し合っているが、新型コロナの影響で投資の動きが鈍くなっているのは確かだ」と述べる。

ただ、こうした状況でも、シンガポールへの進出計画が消えたわけではない。「この大変な時期に大きな成長は望まない。ユニットエコノミクス(顧客1人当たりの収益性)の強化と全社的なコスト面の引き締めをしていく」とアミンCEOは強調する。

ムーブバイは現在、カーシェアのプラットフォームをより使いやすく、より安全に利用できるように改善に取り組んでいる。同社の場合、個人所有の車を貸し借りする仕組みなので、駐車場や自動車の購入といった諸経費がかからないのがメリットだ。

アミンCEOは「マレーシアでは1300万台の乗用車が1日20時間以上使われていない。遊休時間を活用することが、マレーシアのカーシェア市場を切り開くことになる」としている。

ムーブバイは2020年末には損益を均衡させ、21年の第2四半期には黒字を達成する考えだ。新型コロナウイルスの問題が収束し、ビジネス需要が戻ってくることを見込む。「新型コロナで大変な状況にいるからこそ、新しいチャンスにつなげていくことができる。ユーザーとの関係を構築し、長い『冬』に備える」(アミンCEO)という。

「ディールストリートアジア」(英文)のサイトはこちら(https://www.dealstreetasia.com/)

 日本経済新聞社は、東南アジア各国で投資ファンドやスタートアップ企業の動向を追うシンガポールの新興メディア「ディールストリートアジア」に出資しています。同社の発行するスタートアップやテクノロジーに関する日本語の記事を、日経電子版に掲載します。

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