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宿泊・飲食・娯楽、中小の雇用2割 資金繰り悪化鮮明

新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の縮小で中小企業の経営は厳しさを増している。とりわけ苦境が際立つのは外出の自粛やインバウンド(訪日客)の急減が直撃した宿泊・飲食や娯楽といった業種だ。これらの業界は中小企業全体の雇用の2割弱を占めるうえ、もともと手持ち資金が乏しい。迅速な支援策を講じなければ倒産や失業が急増しかねない。

日銀の3月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、資金繰りが「楽である」と答えた企業の割合から「苦しい」の割合を引いた資金繰り判断指数で、中小企業の全産業はプラス8。2019年12月の前回調査から3ポイントの低下にとどまった。だが、中小を業態別にみると宿泊・飲食サービスは27ポイントも下がりマイナス37と悪化が鮮明だ。

資金繰りが悪化した企業の多くは経営基盤が脆弱だ。財務省の法人企業統計調査(18年度)によると資本金が1千万円以上5千万円未満の企業は金融・保険業を除く全産業の平均で、売上高の23%弱の「手元流動性」(現預金や有価証券)を抱える。この比率は宿泊業が19%弱、飲食サービス業は12%弱にとどまる。。

月平均の売上原価と販売管理費の合計額に対する現預金の額をみても、全産業の2.7カ月分に対して宿泊業や娯楽業は2.5カ月分、飲食サービス業は1.4カ月分しかない。これらの業種は売り上げの低迷が長引く状況に耐える力が弱いことがみてとれる。

この規模の企業の売上高全体に占める宿泊、飲食サービス、娯楽の3業種の割合は4%程度。企業収益の尺度でみた存在感はさほど大きくない。一方、中小企業庁によると16年時点で1次産業を除く中小全産業の従業者3220万人のうち宿泊・飲食サービス業が360万人と1割強、生活関連サービス・娯楽業も177万人と5%以上を占める。雇用不安が広がった場合、日本経済に与える影響は大きい。

第一生命経済研究所の熊野英生氏は「中小のサービス業などを中心に、1~2カ月ほどで資金繰りが行き詰まる企業は少なくない。所得補償や税制優遇などを含め手厚い支援が急務だ」と話す。

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