オーストリア、一部店舗の営業制限解除へ 対コロナで欧州初

2020/4/6 21:51 (2020/4/7 4:38更新)
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【ベルリン=石川潤】オーストリアのクルツ首相が6日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために導入している厳しい制限措置について、14日から段階的に緩和していく方針を欧州の主要国で初めて表明した。外出禁止や店舗閉鎖などの制限が長引くほど経済は低迷し財政負担も重くなるが、早期解除は感染拡大の再発リスクと表裏一体だ。オーストリアの実験はほかの欧州各国にも大きな影響を与えそうだ。

オーストリアが外出制限や店舗閉鎖などの措置を導入したのは3月16日で、イタリアから1週遅れ、スペインやフランスとほぼ同じ早さだった。その後、オーストリアの新規感染者数は1日当たり1千人超から200人台にまで減少。オーストリア政府はこのペースならば、医療崩壊も起こさずに入院数を一定以下に抑えられると判断したようだ。

具体的には、14日から小規模店舗の営業を再開する。5月1日にはそれ以外の店舗、理容室、ショッピングモールなどの営業も認める。順調に進めば、5月半ばにはレストランやホテルも再開できる見通しだ。

スーパーマーケットの営業だけ認めて専門店を制限する現在のやり方には不満の声も上がっていた。店舗閉鎖の期間が長引けば、倒産や失業などが一気に膨らみかねない。いつまでも現状を続けられないのは明らかで、ほかの欧州各国と同様、どう制限を緩和していくかが課題だった。

もっとも、クルツ首相は新規感染者が再び増えた場合などには「緊急ブレーキ」を引く可能性があるとし、工程表はあくまで目標だと強調した。厳しい外出制限は4月末まで維持し、店舗だけでなく公共交通機関でもマスクの着用を義務付けるといった制限の強化も同時に打ち出した。

本格的な制限の導入から緩和にたどり着くまでにオーストリアが要した時間は約1カ月。今後の焦点は、同じように新規感染者が減ってきたイタリアやスペイン、仏独などが後に続くかだ。

メルケル独首相は6日の記者会見で制限緩和について「特定の日付をあげることは適切ではない」と慎重な姿勢をみせた。ただ、ドイツ政府では現在の規制の期限である4月19日以降の段階的な解除が検討課題に浮上している。マスク着用の義務付けやスマートフォンを使った感染者の追跡などをセットにすべきだとの意見がある。

早すぎる解除で新規感染者が急増すれば、最終的な制限解除までの期間がかえって延びて、経済への悪影響が深まる恐れもある。オーストリアの動向を横目に見つつ、各国はそれぞれの制限緩和の工程表を慎重に組み立てているさなかだ。

デンマークのフレデリクセン首相は6日、感染者数と死者数が安定して推移すれば4月15日から小学1~5年生向けのデイケア施設と学校を再開すると表明した。ロイター通信などが報じた。同氏は3月30日、復活祭(イースター)休暇明けに外出自粛などの制限を緩和する意向を示していたが「緩和は綱渡りのようなものになる。立ち止まっても速すぎても落ちてしまう。慎重に一歩ずつ進めていかなければならない」と強調した。

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