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産油国トップ3、異なる思惑 減産会議、9日で調整

2020/4/6 18:30
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サウジアラビアが率いる石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国による協調減産を巡る緊急会議は9日を軸に調整しているもようだ。両国は、協調減産の枠外にある最大の産油国、米国に協力を促すが、トランプ米政権は支持基盤のシェールオイル企業を保護。隣国カナダとともに、サウジとロシアに「減産しなければ両国産原油に追加関税を課す」と圧力をかける。

協調減産に向けたハードルは高い(サウジアラムコの石油関連施設)=ロイター

トランプ氏は5日の記者会見で「多くの雇用を生み出す産業を救いたい」と述べ、追加関税の導入を再び示唆。サウジとロシアが協調減産で合意すれば「課す必要はないと思う」とも語った。

11月投票の大統領選で再選を果たすため協力が必要な米国のシェール業界には減産を無理強いせず、サウジとロシアを軸とする「OPECプラス」の枠組みに日量1000万~1500万バレルの減産を求める姿勢を鮮明にした。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、カナダも同様な追加関税の導入を探り、米国側と協議を始めた。

硬い岩盤層を砕いて石油を取り出す米国のシェール企業と、カナダの石油産業で主力のオイルサンド(石油を含んだ砂岩)企業はいずれも採算ラインの原油価格が1バレル30~40ドルといわれる。ところが指標の北米産ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物価格は、3月上旬にロシアとの協調減産強化に失敗したサウジの増産表明で一時、同20ドルを下回る水準に落ち込んだ。

原油価格の引き上げは米国、カナダの国内エネルギー企業を守るうえで欠かせなくなった。

英BP統計では、2018年の産油量でサウジは2位(日量約1200万バレル)、ロシアは3位(同約1100万バレル)。米国をあわせた上位3カ国の産油量は日量約3900万バレルで、世界全体の約4割を占める。協調減産を巡る、これらトップ3の思惑が異なり、緊急会議の日程は当初予定の6日から延期された。

OPECプラス側は当初、米国の協力に期待を示した。ロシアのプーチン大統領は3日「米国とも協力する用意がある」と述べ、協調減産に参加する産油国を増やす必要があるという考えを表明した。サウジのアブドルアジズ・エネルギー相も同日、米国の参加を念頭に「石油市場の問題解決を求めるすべての国を歓迎する」と強調した。

17年からの協調減産に加わらず、下支えされた原油価格の利益だけを得てきたシェール企業をサウジ、ロシアの両国は「敵」とみなす。だが、両国もすれ違いが目立つ。

プーチン氏は3日、原油価格急落の責任について「事実上、(協調減産の)合意から脱退し、自国の石油価格を大幅に割り引くと表明した」と語り、サウジを非難した。これに対し、アブドルアジズ氏は「(3月に)4月から自由に産油量を増やせると真っ先に公言したのはロシアのエネルギー相だ」と反発した。

米国でシェール企業をとりまとめる団体が6月のOPEC会合に参加するとの情報がある。だが、国営企業が産油するサウジ、ロシアと違い、米国の石油企業は民間資本だ。独占禁止を巡る厳しい法令があり、OPECプラスのような世界規模での生産調整には容易に参加できない。

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