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NTT、6G通信向け 世界最高のトランジスタ開発

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

NTTは、世界最高速で動作するトランジスタの開発に成功した。スイッチングの切り替えが1秒間に8000億回で動作し、従来よりも1割ほど性能が向上した。高速で動作するトランジスタは、毎秒数テラ(テラは1兆)ビットを超える高速通信に不可欠。NTTは今回開発したトランジスタを大容量通信ができる光通信や次々世代の無線通信「6G」への応用を狙い、5年後の実用化を目指す。

今回開発したトランジスタは、電子が伝わる速度がシリコン系よりも速いインジウムリン系化合物の基板をベースに、トランジスタの3つの要素であるエミッタ、ベース、コレクタの材料としてそれぞれ、インジウムガリウムリン、インジウムガリウムヒ素アンチモン、インジウムリンを極薄で積み上げた。ベースにCPUに使われるシリコンのような素材を使うと、スイッチの回数は1秒間に100億回以下にとどまる問題があった。

NTTが独自に持つ結晶作製技術を発展させ、ベース層が10ナノ(ナノは10億分の1)メートル、コレクタ層が40ナノメートルと極薄の構造を実現することで高速化を実現した。

今回は試作で実用化には課題がある。「トランジスタの動作の安定性・信頼性の向上や回路化が課題で5年ほどはかかる」とNTT先端集積デバイス研究所の白鳥悠太研究主任は語る。NTTグループで半導体チップ製造などを手がけるNTTエレクトロニクスなど製造会社へのライセンス供与を想定する。

高速で動作するトランジスタは、大容量のデータを瞬時に送受信しなければならない光通信や、6Gのような次々世代の無線通信に必須となる。「これまでのトランジスタは毎秒1テラビット程度の通信への対応が限度だった。今回のトランジスタによって毎秒数テラビットという超高速・超大容量通信に対応できるようになる」(白鳥研究主任)という。

NTTは2000年代前半から高速で動作するトランジスタの研究開発を始めている。「光通信サービスを高速化するには、電気信号を光信号に変換するスピードも要求される。そこに高速トランジスタが必要になり、自ら研究開発している」と白鳥研究主任は語る。

NTTはこのほか、光信号のまま信号処理できる光トランジスタも開発している。低消費電力で動作するのが特徴で、この技術をベースに情報処理基盤そのものを光信号で置き換えようという「IOWN(アイオン)」構想をグループ一丸となって推進している。白鳥研究主任は「最終的に様々な機器と接続する際、電気信号への変換も必要になる。その際に今回のトランジスタも重要になる」と語る。(日経BP 堀越功)

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