コロナ予防にネット授業 携帯3社、通信料一部無料に

2020/4/3 22:07
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NTTドコモKDDI(au)、ソフトバンクの携帯3社は3日、25歳以下のスマートフォン利用者を対象に1~2カ月程度、データ通信料を一部無償化すると発表した。新型コロナウイルスの影響でオンライン授業を始める大学などが増えるなか、学生の通信費負担が高まる懸念があるため、総務省が支援を要請していた。米国でも同様の支援が始まっており、日本も官民で緊急事態への対応を急いだ格好だ。

自宅でのオンライン授業のニーズが高まっている

携帯3社は25歳以下の学生や子供を対象に、月50ギガ(ギガは10億)バイトを上限として、通信データ容量の追加購入費を無料にする。親の名義で契約し、携帯を利用している子供も対象となる。

一般的なスマホの料金プランでは、契約していたデータ容量の上限を超えると通信速度が遅くなる。速度を戻すには通常1ギガバイトあたり1000円を追加で支払う必要があるが、3社とも月50ギガバイトを上限に無料とする。

期間などは3社で異なる。ソフトバンクとKDDIは4月30日まで、ドコモは4~5月の2カ月間とした。ドコモとソフトバンクは既存の利用者だけでなく新規の契約者も無償化の対象とする。

ソフトバンクは格安ブランド「ワイモバイル」の利用者も対象にした。ワイモバイルの最安値プランは3ギガバイトで月2680円。ソフトバンクの50ギガバイトの大容量プランは月7480円のため、半額以下で上位プランとほぼ同じデータ容量を使える計算になる。ソフトバンクとKDDIは、スマホ経由でノートパソコンなどをネットに接続する「テザリング」のオプション料金も無料にする。

今回の支援を主導したのは総務省だ。関係者によると、3月30日に総務省などから携帯各社に要請があり、各社は4月2日夜までに対応を決めたようだ。総務省には大学などから、オンライン授業の増加に備え、通信環境の整備を求める声が寄せられていた。

自宅で授業を受けるには安定したネット環境が必要だが、自宅にWi-Fi環境がない学生も少なくない。1カ月分の大学の授業をオンラインで受講するには、少なくとも約30ギガバイトが必要になるとの見方もある。

米国では米連邦通信委員会(FCC)が3月、国民がネットなどへのアクセスを絶たれることがないように求める声明を出した。米ベライゾン・コミュニケーションズは4月末まで、スマホ利用者に月15ギガバイトのデータ容量を無償提供する。

データ容量の追加料金を無料にすれば、動画の視聴やゲームに使われるだけとの懸念もある。日本の携帯3社は無償化の条件に世帯収入や使用目的を含めていない。細かい条件を付けるとシステム改修で時間がかかる可能性もあり、まずは早期の導入が必要と判断したようだ。総務省幹部は「(今回の措置は)緊急避難であり、1カ月単位で事業者が考えていくことになる」と話している。

コロナの収束がみえないなか、家庭でオンライン授業を受けられる環境の整備は不可欠だ。

文部科学省は、小中学生がいる低所得世帯に通信機器「モバイルルーター」を無償で貸し出す方針だ。政府が近くまとめる緊急経済対策に関連費用を計上する。ルーターを貸す世帯は、小中学生のいる家庭の2割前後になる見通しだ。

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