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軽症者の院外療養、施設確保へ自治体動く

マスク姿で会見する小池知事(3日、都庁)

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、厚生労働省が、軽症者らを病院以外の施設で受け入れる各自治体の動きを追認した。国の判断を待たずに動き出した自治体の準備は既に活発で、東京都がホテルを棟ごと借り上げるほか、大阪府は独自の判断で症状ごとに感染者を施設に割り振る。ウイルスの広がりに歯止めがきかないなか、医療崩壊の阻止に向けた取り組みが加速する。

厚労省が2日付で出した通知は、感染者のうち軽症者や無症状の人について、必ずしも感染症法に基づく入院勧告の対象とせず、自治体が用意する宿泊施設や自宅で療養できるとした。

厚労省は自治体向けの3月1日付の通知で、感染拡大で重症者の入院医療に支障をきたす場合、軽症者、無症状者は「自宅での安静・療養を原則とする」としていた。ただ、そうした体制に移行する場合には「厚労省と相談すること」も併せて求めていた。

今回の通知は、自治体がそれぞれの判断で宿泊施設や自宅での療養体制に移行できる内容になっている。自治体は保健所などと連携しつつ、医師が入院不要と判断した人は病院以外での療養に切り替えられる。軽症でも高齢者や基礎疾患がある人、妊婦などは対象外とした。

加藤勝信厚労相は3日の記者会見で「軽症者の療養体制の整備について、具体的な検討を進めてほしい」と自治体に求めた。

もっとも、都市部など感染が急拡大している地域では対応病床の逼迫感が強まっており、病院外での受け入れに向けた動きが国の通知に先回りする形で本格化している。

入院患者が3日までに約700人に上った東京都。対応病床は3日午後時点で750床確保しているが、感染者数が病床とほぼ同数に達した状態だ。退院する人もいるが、軽症者も含めた感染者全てを入院させるのは難しくなっている。

都などの関係者によると、都は軽症者向け施設として既に複数のホテル事業者と交渉を進めており、1000人分を目標に複数のホテルを借り上げる方針だ。「アパホテル」を運営するアパグループが受け入れの意向を示しているほか、五輪用に建設中の警察宿泊施設の活用案も浮上している。

小池百合子知事は3日、「(感染者数が)高水準で推移し、予断を許さない状況だ」との認識を示したうえで「無症状や軽症者のための一時滞在施設を確保し、重症患者が病床を利用できるようにする」と強調した。都は週明け以降、ホテルに滞在してもらう運用を始める。

大阪府も3日、感染者が急増した場合、症状が重い患者向けの病床確保を優先し、軽症者には自宅やホテルなどで療養してもらうことを決めた。100室以上あるホテルなどを1棟単位で借り上げるほか、閉鎖している病棟も活用し、受け入れ可能な事業者はメールで募集する。

吉村洋文知事はホテルの活用について「できるだけ事業者に協力してもらい、来週中にも受け入れを始めたい」と述べた。

府内では、感染経路が不明な事例や、感染を調べる「PCR検査」の件数当たりの陽性率も高い水準が続く。府は既に病床600床を確保したが、オーバーシュート(爆発的な感染拡大)に備え、重症者対応の300床を含む計3千床を確保する計画だ。

愛知県は医師ら医療スタッフが常駐し、100人規模の軽症者が生活できる専用施設の開設準備を進めている。県は受け入れに向け、既に県内の医療機関に入院中の感染者を対象に入所の意向調査を始めた。周辺住民の理解を得るために地元説明会も実施する。

同県は2月、集団感染を起こしたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を巡り、感染した乗客の一部を開業前の藤田医科大岡崎医療センター(愛知県岡崎市)で受け入れた経験がある。この際は無症状者を比較的早く日常生活に戻すことができたため、県内の医療機関などから、重症者を集中的に治療するために軽症者向けの専用施設が必要とする声が上がっていた。

神奈川県は将来、中等症患者が一定数以上に増えた場合に、軽症者・無症状者を宿泊施設に搬送したり、自宅待機させたりする方針を3月25日に発表している。宿泊施設は現時点で100室程度を確保できる見通しが立っているという。

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