羽田都心ルートで初飛行 国際線増便策、生活影響も

2020/4/3 15:57 (2020/4/3 21:43更新)
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羽田空港への着陸機が東京都心を通過する新たなルートで3日午後、初めての飛行が実施された。3月29日に運用が始まって以降、条件の南風にならず、実際の飛行はなかった。新ルートの導入は国際線増便による羽田の役割向上が目的だが、東京湾中心だった飛行ルートが都心にも広がり、騒音や機体からの部品落下で日常生活に影響が出る恐れもある。

国土交通省は、ルートの見直しで滑走路の使い方を効率的にし、1日当たり50便増えた発着枠を全て国際線に充てた。現状では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で世界的に国際線の需要は壊滅的な状態。赤羽一嘉国交相は「フル運用に向けた助走期間と捉え、騒音や安全対策を徹底する」との考えを示している。

国交省によると、3日午後は南風による運用で、午後3時15分ごろから午後5時55分ごろにかけ68機が都心ルートを飛行した。羽田空港のホームページによると、欠航が相次ぐ影響で、この時間帯に国際線旅客機の到着はなかった。

都心ルートは国内、国際線とも、さいたま市付近から新宿や渋谷へ南下する。運用時間は午後3~7時のうち3時間程度。最多で2分に1回のペースになる見込みだ。

JR渋谷駅前のスクランブル交差点でも機体がはっきりと目撃できた。渋谷を訪れていた埼玉県杉戸町の女性(23)は「もしも自分の家の上を飛んでいたら嫌だなと思う。騒音はそこまで気にならなかったが、航空会社には点検を徹底してほしい」と話した。

国交省は、機体を下げる際の「降下角度」を3.45度とする着陸法を採用。従来の3度から高くし、地上での騒音軽減を図るとしている。運用前には、国際的なパイロット組織などから安全性を疑問視する指摘があり、同省は降下途中に3.45度から3度へ引き下げる方法も認めた。

都心ルートに反対する住民団体の代表大村究さんは「3.45度への懸念が払拭されていないまま運用を始めたのは残念。新型コロナで欠航が相次いでいるのに、国際線増便を目的とした都心ルートは不要不急で、立ち止まるべきだ」と指摘した。〔共同〕

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