白杖でスケボー、反響呼ぶ 視覚障害の大内龍成さん

2020/4/3 11:38
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20歳のブラインドスケートボーダーが大きな反響を呼んでいる。大内龍成さんは進行性の網膜色素変性症で視野が95%欠損しているが、白杖(はくじょう)を使って巧みにスケートボードに乗る。動画が投稿サイトのユーチューブなどで紹介され、世界中から称賛の声が後を絶たない。「視覚障害者でもスケボーができることを世界に広めたい」と充実感に満ちている。

白杖を手にスケートボードに乗る大内龍成さん=共同

福島県郡山市出身。幼少期から暗所で見えづらく、小学1年時の検査で病気が判明した。中学入学後に一気に進行。それでも、中3の時に友人に紹介されて始めたスケートボードに熱中した。

視力を失う恐怖もあったが「今を思い切り楽しめればいい。見えているうちに基礎を覚えた」。午前3時に起きて友人宅の駐車場で滑ることもあり、放課後も学校近くの公園でひたすら練習。努力して技を習得する感覚が最大の魅力だという。

視覚支援学校に進学してまもなく、病状が悪化。成功していた技もできなくなり「一気に突き放された感覚がつらく、嫌いになった」と一時は競技から離れたが、卒業間近に情熱が再燃。白杖を使いながら高難度の技を繰り出す米国の盲目スケーター、ダン・マンシーナの存在を知り「もう一回本気でやりたい。一から積み上げる」と思い直した。

白杖を使って滑るのは今までとは「全く別物」で、目が使えない分、残る感覚を総動員する。白杖の感触や音の反響に意識を集中させ、技を繰り出すジャンプ台や縁石などとの距離間を探る。技を失敗して転ぶ回数も多いが、笑顔を絶やさず何度も立ち上がる。

現在は埼玉県内で、あん摩マッサージ指圧師の資格取得を目指しながら、一人暮らしする。週に1、2日はスケートパークに通い「卒業したらプロスケーターになれるよう、多く滑り込みたい。全国の盲学校を回って競技を紹介したい」と夢を描く。

昨年11月には東京五輪の金メダル候補たちが競い合った国際大会のオープン部門に参加し、大勢の観客を沸かせた。非パラリンピック種目だが、活躍の場は今後も増えそうだ。

〔共同〕

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