軽症者は病院外施設で療養 厚労省、自治体の動き追認

2020/4/3 10:50 (2020/4/3 12:18更新)
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新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、厚生労働省は、軽症者や無症状の人について病院以外の施設での療養を容認し、入所対象者などの基準を示した。感染者が増加する一部地域では医療機関の病床が逼迫してきており、重症者の治療に重点を置く狙いがある。東京都などでは軽症者向けの一時滞在施設を用意する動きが進んでおり、厚労省も追認した形だ。

加藤勝信厚労相は3日の閣議後の記者会見で、自治体に対し「軽症者の療養体制の整備について、具体的な検討を進めてほしい」と呼びかけた。

2日付の厚労省の通知は、新型コロナの感染者のうち、軽症者や無症状の人については必ずしも入院勧告の対象とならず、都道府県が用意する宿泊施設で療養することができるとした。施設への入所については、地域の軽症者の数などを踏まえて▽高齢者と同居している軽症者▽医療従事者や介護職員など高齢者と接触する人と同居している軽症者――を優先するとした。

厚労省は自治体向けの3月1日付の通知で、感染拡大により重症者の入院医療に支障をきたす場合、軽症者、無症状者については「自宅での安静・療養を原則とする」としていた。

その後、政府は3月28日に公表した新型コロナの基本的対処方針で、家族内感染のリスクを下げるため、軽症者の施設療養などの取り組みを自治体に求めるとしていた。

東京都の小池百合子知事は3日、都庁で記者団に「都としても国に要望していた宿泊所における療養を認めていただくという通知があった。自宅は難しい方も多いと思うので、療養所の確保を迅速に進めていきたい」と話した。

都によると、2日朝の時点では新型コロナの感染者に対応できる病床を700床確保している。同日時点での入院者は620人余りで、今後も感染者が拡大すれば逼迫する懸念が大きい。

現在入院している人のうち8割程度を軽症者が占めており、今後、軽症者についてはホテルなどの「一時滞在施設」や自宅に移ってもらう方針だ。

都の関係者によると、都は1000人分を目標に100~200室ほどのホテルを複数棟借り上げる方針で、民間ホテルの事業者と交渉を進めている。軽症者は自宅での療養を前提とするが、同居する家族らへ感染のリスクがある場合にホテルで療養をしてもらう。

東京五輪の関係者によると、軽症者向け施設として東京の臨海部で五輪用に建設が進む警察宿泊施設の活用案も浮上している。五輪のために全国から応援にくる警察官ら最大8千人が宿泊できるよう整備を進めてきたが、五輪が延期となったことで一部の仕様を変更して転用するという。

大阪府でも吉村洋文知事が2日、軽症者は自宅か宿泊施設で療養してもらう方針を表明し「オーバーシュート(爆発的な感染拡大)の前にやっておかないといけない。感染者が増えてからでは遅い」と危機感を示した。

大阪府内では2日に新たに感染者を33人確認し、累積は計311人となった。感染経路が不明な事例や、感染を調べる「PCR検査」の件数当たりの陽性率も高い水準が続いている。府は既に病床600床を確保したが、重症者対応の300床を含む計3千床を確保する計画だ。

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